第9章 「 ひみつのノート 」 及川徹
「さーってと!昨日の続き!!及川くんに渡してて書けなかったし。」
家に帰った私は、さっそく鞄からノートを取り出した。
すると、ノートから真っ白な封筒がひらりと落ちた。
「・・?何これ。」
真由ちゃんへ
と宛名が書かれた封筒。
中から手紙を出すと
真由ちゃんへ
ありがとう。ノートを貸してくれて。
中の漫画、おもしろかった。
たくさん読んだことある漫画の中でも1番!
頑張って書いたのが伝わってきた。
すごく続きが気になってます。
きっと「却下」って言うんだろうけど。
できれば、また、貸してもらえませんか?
スルーだけはしないでね!よろしく!!
約束は絶対に守る及川より
「あららー…。つづきか…。」
朝も言われたな…。
困ったな。
しかも「スルーだけはしないでね。」って、またしつこそう…。
でも、こんな手紙を書いてくれるくらい、「良かった」って思ってくれたんだよね。
なんか、不覚にも嬉しくて。
また、読ませてあげてもいいかな。
なんて思ったりした。