第9章 「 ひみつのノート 」 及川徹
翌日、ノートを持っていない私は、いつもより遅めに学校に着いた。
しばらくすると、朝練を終えたであろう及川くんが教室に入ってきた。
「あ!!いるじゃん!!!」
私を見るや否や、こちらを指さし真直ぐと歩いてきた。
「朝いなかったから、休みなのかと思った。」
「え?また、朝教室来たの?」
「うん。真由ちゃんがいると思って。」
「ノートもないのに早く来ないよ。」
「ああ、それもそうか。」
及川くんは納得したように手を叩くと、持っていた鞄からノートを取り出した。
「ありがとう。」
「はい。どういたしまして。」
それを受け取り、素早く鞄にしまった。