第9章 「 ひみつのノート 」 及川徹
「えっと、その…。昨日のノート見せ「却下!!」
「ええ~!まだ言い終わってない。」
「知らない。見せない。そもそも、なんのことかわからない。」
「うそだー!!絶対わかってる!!絶対わかってるでしょ?!」
「ねえ、もう本当にうるさいよ?」
おそらく、及川くんが言っている「ノート」とは、私が趣味で書いているマンガの書かれたノートである。
どこかに載せたり、誰かに見せたりしていない。
読者のいないマンガ。
でも、それでいい。別に、私が楽しくて書いてるだけ。
人に読んでほしくて書いてるわけではない。
というか、自分の作品をクラスメイトに見せるなんて恥ずかしすぎて無理!!