第4章 復帰と合宿とお猫様
そんな声に部員はサッと顔が青ざめる。各々自分の布団に音もなく戻った。
そして布団のないは大地に抱きかかえられ、彼の布団に引きずり込まれる。
布団の中では抱きしめられてピッタリと大地さんと密着している。
そのまま鼻のくっ付きそうな距離でじっと見つめられて、性急なキスが降って来る。
音を出さないようにしながらちゅっちゅっと唇を奪われる。
決して舌を絡めたりすることのないキスに逆に大人の余裕を感じた。
部屋の外では今度はとんでもない話が進められている。
鵜「じゃあよー。とりあえずキャプテンだけ起こして俺たちの部屋で今後の事を語るってどうよ?」
武「え!?って澤村君が寝ていたらどうするんですか?」
鵜「知るかっ!んなもん、布団剥いで起こしたらァ!」
武「そんな乱暴な…」
その会話に私達は慌てる。今布団を剥がれたらとんでもない状態だ。抱きしめられている私に猛烈にキスを降り注がせている大地さん。例え布団から私が出ても、男子部屋に私が一人居たら間違いなく問題になるだろうし。
どう転がっても言い訳のしようのない状況。
そしてドアが開くという瞬間の直前に、私は後ろから伸びてきた誰かの腕によってお腹を抱えられて隣の布団に引き込まれる。
目を白黒させる中、唇に指を一本当ててシーっとしている旭さんと目が合う。
ここは旭さんの布団だったのか。
そうやって静かにしているとスパーンと部屋のドアが開き、ズカズカと大きな足音を立ててコーチが入って来た。
鵜「よしよし。流石に疲れて皆寝てらァ。おい!澤村、起きろ!ミーティングだ!行くぞ!」
隣で大地さんの布団を一気に剥ぐ音がして、あそこに居たら、と思うとゾッとした。
そして目の前にある旭さんの顔と二人で声を殺して笑い合う。
そして一瞬だけ真面目になる旭さんの顔に本日何回目かのキスされる予感がした。
優しい旭さんのキスは一瞬ですぐ離れる。