第4章 復帰と合宿とお猫様
その大地さんの言葉に影山君は言い淀む。
そりゃそうだ。彼は無意識で襲ってしまったんだもの。
でも覚えていないと言ったら大地さんに更に怪訝な印象を与えてしまうし。
答えない影山君を庇うように私から説明をする。
『影山君、のぼせちゃってぼーっとしていて。で、水が欲しいって言ってその……私がいたから……キスして……飲もうとして……』
説明をしようとしたが途中から恥ずかしくてしどろもどろになってしまう。
影「そうだ!水が欲しくて水を飲んでいたら気付いたらがいて、そんで夢だから襲ってもいいやってなって…。でも夢じゃなくて…………っ!!!!!!!」
ようやく自分のしでかしたことが分かった影山君が後ろに飛び退く。
蛍「キスしたんだね…」
そう言うと蛍は皆のいる前でキスをしてきた。
それもかぷかぷと角度を変える大人のキス。ちゅっちゅっと音をワザと出しながら舌を絡ませてくる。
そして満足したのか唇を離すと私はようやく息ができて荒く呼吸をした。
蛍「これで消毒完了。上書き出来たね。」
そう笑う蛍に引き攣った笑いを浮かべると今度は影山君が叫ぶ。
影「てめぇ月島ボケェ!!それじゃあ俺とお前は間接キスだろうがァァァ!やめろボケェェェ!!」
もう訳の分かんない状態だが、影山君の後ろに居る大地さんの絶対零度の怒りの炎が見えた。
そして私と蛍の二人は彼に向かって頷く。
(あ、やっちゃってください。)
大「お前がやめんかい!あとうるさーーーーい!!!!」
そして影山君の頭にゲンコツが落とされた。
かくして私のようやく始まったお風呂タイムにはドアにしっかりと鍵をかけて、扉の外には蛍と大地さんの二人体制で変質者(?)を防御してくれるという最高なセキュリティが敷かれたのだった。
田(ノヤ!!ちょっとさ、やましい気持ちはないけど、お風呂場まで散歩に行かないか!?)
西(お風呂場?いいけどなんでだ?)
田(ばっか!お前今が入ってるんだぜ?お風呂と言えばドキドキハプニングだろ☆)
西(おまっ!天才か!しょうがねぇなぁ少し行くだけだからな!!)
そしてその後2人はお風呂場の前で大地さんの愛の込められたゲンコツを食らったのだった。
大「お前ら、揃いも揃ってバカヤロー---!!」