第4章 復帰と合宿とお猫様
その舌に唾液を掬い取られて影山君の喉がごくんと鳴る。
そのままキスをした状態でゆっくりとベンチの上に押し倒される。
相変わらず影山君はぼーっとした眼差しでこちらを見ているが、その瞳に映った欲情の色を私は見逃さなかった。
丁度その頃外に気配を感じた。
走って駆け付けて来てくれたであろう蛍と大地さんの声がする。
「・・・・・・!!」
「・・・・!!!」
何かを言いながらドアを叩いてくれているが影山君は気付かないし、私もキスが激しくて声が出せない。
組み敷かれたまま上にのしかかる影山君の胸をドンドンと叩くがびくともしない。
こういう時に男の人との力の差を感じるのだ。
やがて抵抗する私の手は影山君の左手によって1つに束ねられて頭の上に固定される。
そして右手でゆっくりとジャージのジッパーを開けた。
暴かれた私のTシャツには突起が2つ浮かんでいて、それを迷わず影山君は触る。
途端に電気が走ったような快感に私は襲われた。
いつもはセッターとしてトスを上げる綺麗な指先が私の胸の感じる所を弄んでいる。
そんな事実に頭がクラクラした。
ハァハァと欲情している影山君の息遣いに理性が飛びそうになるが、外からのドアの音でなんとか自分を保っていられた。
そしてTシャツ越しに今度は包み込むように胸を揉み始めた影山君が唇から離れ、首筋に舌を這わせてきた途端に解放された口で叫ぶ。
『影山君待って!!起きて!!!』
その声にハッとした影山君が動きを止める。
そして組み敷いた私を見てサッと顔色を変えてよろよろと立ち上がった。
と、同時にドアの外の音に気が付いてフラフラとドアの鍵を開けた。
すると勢いよくドアが開き、蛍と大地さんが走り込んできた。
そしてこの惨劇を目の当たりにする。
ハァハァと荒い息遣いで唇を濡らす2人。そしてベンチの上にいるは寝かされてジャージのジッパーが下ろされており、押さえつけられた両手首は真っ赤になっている。
蛍「!!!」
大きな声で呼ばれて起き上がると傍に来てくれた蛍にジッパーを上げられる。
そして抱きしめられた。
『ごめんなさい…』
どうしていいか分からず謝った私は込み上がってきていた生理的な涙を拭った。
そして蛍の腕の中でどうしようもない安心感に包まれる。
大「で、何があったんだ」