第4章 復帰と合宿とお猫様
そう言われて気付く。今の今まで大地さんの腕をギュウギュウ抱きしめていたことを。
それに気付いて慌てて飛び退くと、“そんなに飛び退かなくても”と少し笑われた。
少し和んだ雰囲気の中、大地さんの顔を見ると何故か真っ赤な顔をしていて。
不思議に思って首を傾げると、パッと目のあった大地さんが恥ずかしそうに右手で顔を覆っていた。
そして今度は大地さんの言葉に私が真っ赤になる。
「その…お前今着けてないだろ……さっき見たアレを…。だからその…感触がダイレクトに腕に当たって…俺も男だから…クルっていうか…」
その言葉に頭の中のピースがカチカチと嵌っていく。
そしてすべてが分かった時にはもう茹蛸←
「す、すまん!そういうつもりじゃなくて!」
『分かってます!悪いのは私です!』
「いや、俺もその状況を甘んじて受け入れていたというか!」
『えぇ!?』
そんな風に言い合っているとヒタヒタとスリッパの音がした。
そして振り返るとそこには風呂上がりでキラキラ輝く蛍が居た。
よく見ると横には山口君←
蛍「…さっきの悲鳴、何?大地さんに何されたの???」
そんなどす黒いオーラの蛍に必死に弁解する。
『大地さんは悪くないんです!むしろ助けてくれて!田中さんにジャージを返しに行ったらなぜかパンツ一枚で夕ちゃんと二人踊ってて!そしたら2人のパンツが膨らんできて!きゃーーーーーーーー!!!』
思い出し悲鳴を上げると慌てて大地さんの右手に口を塞がれる。
大「ちょ、ちょっと!」
『わぷ!す、すみません…』
そんな大地さんの右手を今度は私の後ろからヌッと出てきた蛍の左手が払い、右手で体を彼の方に引き寄せられる。
蛍「に触らないでもらっていいデスカ。」
そして極寒の絶対零度ブリザードが蛍と大地さんの間に吹き荒れる中、その空気に当てられた山口君と私は小鹿のように震えるしかなかった。
そんな中、救世主が現れる。
日向「おーーい!、風呂空いたぞーーー!!!」
日向。
その名の通り暖かな空気が走って来てようやくブリザードが吹き止む。
日「どうしたんですかー?こんな所で?あ、風呂上がったらお前が最後だから換気扇回しといてな!」
清水先輩に頼まれたから!とカラっと日向は笑う。