第4章 復帰と合宿とお猫様
クドクドクドと蛍から説教を受けながら2人で並んでお皿を洗う。
見た目通り丁寧な蛍はテキパキと几帳面に、効率よく皿を洗って片付けていく。
なんだか夫婦みたいだなぁーと考えてチラッと蛍を見上げるとそこには赤らんだ蛍の顔が見えて。
テレパシーも厄介だ。
そう改めて感じた。
あともう少しで洗い終わる、という所で調理場に山口君がやって来た。
どうやら布団の並べ方のクジを引くらしく、蛍に2階に上がって来て欲しいとのことだった。
山口君に代わりに引いてほしいという蛍に、もしも日向の隣引いたら責任取れない!と青い顔をして山口君は断っていた。
「ごめんけど。行くね。あとよろしく。」
そう言った蛍に私は笑顔で返してまたお皿洗いに戻った。
1人になるとさっきまでの楽しい雰囲気とは一変し、本当に雑務といった印象でさっさと終わらせるために手が動く。
あと1枚という時に泡で手が滑りお皿が手から逃げ出す。
そして逃がすまいとお皿をキャッチすると、お皿は割れなかったがそのお皿に跳ね返った水を大量に顔面から浴びる。
一気にテンションの低くなった私はその暴れん坊のお皿を丁寧にしまい、冷えてしまった身体を温める為に自分の部屋へとすごすごと帰ることになった。
部屋に帰る途中に男子部屋からは大騒ぎする声が聞こえた。
私だけ違う部屋なんて不公平だ!そう思ってみんなの部屋を訪れることにした。
西「やったな!月島!俺と龍の間を引くなんてお前どんだけくじ運あるんだよ!」
日「いいなぁーノヤッさんと田中さんの間とか超羨ましい!俺もそこが良かった!」
月「それ本気で言ってんの?それとも嫌味?」
影「日向ボケー!なんでお前が隣なんだよ!絶対寝相悪いだろお前!俺の布団に少しでも入ったらシバくからな!!気を付けろよ!ヴォケ!!」
旭「良かったー。スガと大地の間ならとりあえず安眠できそうだなぁ」
大「俺はそのむさ苦しいヒゲちょこを朝から眺めないといけないと思ったらナーバスだよ。」
菅「ひどッッ!!」
そんな彼等の会話が外まで聞こえてきてまた笑いが込み上げてくる。
なんだかんだ言って仲良しだなぁと思いながら部屋のドアを開ける。
『失礼しまーす』
それは波乱の幕開けだった。