第4章 復帰と合宿とお猫様
私のその言葉にスガさんは徐にゆで卵を食べる。
「うん。美味しい。これならいつでも俺のお嫁さんに来れるね。」
そう言って笑うスガさんにときめきそうになるが、最近こういう扱いに慣れてきた私は笑顔で軽く躱す。
『はいはい。そういう軽口は防衛軍に任せた方がいいですよー』
「防衛軍?ってば酷いなぁー俺、結構本気なのにー」
最初の頃は皆の一言一言にアワアワさせられっぱなしだったけどそうもいかない!
大人の階段をのぼり続けて只今メキメキ成長中のちゃんレボリューションには聞かないのでぃす!
そう意気揚々と流した私達をよそに、皆は各々立ち上がって食器を片付けに行っていた。
そんな皆にふと気を取られた瞬間真正面に居たスガさんの手が自分の方に伸びていた。
気付いた時には彼の指が私の唇を撫でて彼の所へ帰っていくところだった。
「ケチャップ付いてたよ?ごちそうさま。」
そう言うと私の唇に触れたスガさん自身の手をペロっと舐めて妖しい視線を送って立ち去った。
残されたのは真っ赤になった私。あと防衛軍と……蛍。
田「…大人だぁ!なんて大人なんだぁ!スガさん!弟子にしてください!!!」
夕「おい!!!!!!もっと気を引き締めて油断すんな!周りはお前を狙ってるんだぞ!俺を含めて!分かったか!!!」
そんな防衛軍の声なんて聞こえない。なぜならそれより静かな男が今この場で一番怖いからだ。
何も発しない。故に怖い。
どうしようと考えあぐねていると武田先生に呼ばれた。
洗い物をしないといけないらしい。
蛍をこのままにしておくのは心の底から怖かったが先生のお願いには逆らえない。
そう思って洗い物をしに行こうとすると爽やかな蛍の笑顔が見えた。
あ、コイツ何か悪いことする気や←
蛍「先生。それ僕もを手伝うんで2人で出来ますよ。先生は先生にしか出来ない残っている仕事終わらせて下さい。お疲れ様でした。」
ガッテム!!!!
蛍のまるで優等生のような申し出に先生は感動しながら仕事を任せて去っていく。防衛軍を連れて。
待ってー行かないでー
その心の叫びも虚しく、二人っきりになってしまった私はタコも嫌がるくらいの説教を延々と耳がバカになるほどくらったのだった。