第4章 復帰と合宿とお猫様
そんなこんなで始まった今日の部活もまだ序盤で、ようやく体が温まって来た頃に武田先生が体育館に来た。
新しいコーチ、鵜飼繋心さんを連れて。
引くほどのド金髪の彼はいつも寄る坂ノ下商店の彼。
同級生の中でも年上好きの友達の何人かが男らしくてカッコいいと噂されている彼に驚きと共に、明日皆に教えたら喜ぶだろうなぁと考えてついじーっと見つめる。
すると大地さんに声を掛けられる。
大「…大人だよな……ああいうのがタイプなのかー俺ももっと頑張んないといけないかなー。」
『い、いえ!そういうわけではなくて!違うくて!』
菅「え!ナニナニ?年上好きなの!?でもそういう括りなら俺にもまだチャンスあったりする?」
『へ!?スガさんまで何を……』
田「じゃあオレも先輩だから大逆転あるってことか!?ヨッシャー!コラー!メガネ外せコラー!!」
月「まずメガネを外してってその時点で体質利用するなんて姑息ですよね。」
田「月島ゴルァァァァ!!!!」
西「龍!俺も先輩だからな!いとこだけど!俺にが勝手に惚れるのには関係ないからな!しょうがないよな!」
月「でも身長的にはどう見ても先輩じゃないですよね。」
西「テメェ!コラー!!!!ツラ貸せゴルァァァァ!」
影「おい。お前。年上が好きなのか?教えろコラ。」
『いえ、別に好きになった人がタイプですし…』
そんな私達の会話をお腹を抱えて笑っている鵜飼コーチ。
そして困っているとコーチの隣の武田先生に呼ばれる。
助かった!という気持ちで小走りでコーチの隣に行く。
先生からバレー経験者の私から簡単に選手の説明をコーチにして欲しいとの事だった。
私はなるべく公平に、丁寧に説明をする。
「おう。分かり易かったから大体掴めたぜ。ありがとな。
…お前皆に愛されて大変だなー。まぁ俺の学生時代にこんな可愛い同世代のマネージャーが居たらと思ったら奴らの気持ちも分からんでもないがな。
気を付けろよ。男はオオカミだからな!」
そう言って私の頭をポンポンとしてコーチが離れる。
色んな人から何度も言われる、男は危ないという言葉に段々暗示がかかったように彼らを異性として意識してしまう。
ふとコートを見ると練習試合に向けてひたむきな彼らの姿に胸がキュンとしてひたすら身悶えるであった。