第4章 復帰と合宿とお猫様
「これはその、ふ、深い意味はなくてだな。あーもう!俺のせいだな。スマン。」
『いえ、こちらこそ。そういう意味じゃないって分かっていたんですが過剰に反応しちゃって。すみません。』
真っ赤な2人が謝り合っていて。そんな姿にお互い笑えてきて。
そこに菅原先輩がやって来た。そして彼は茶化すように言う。
菅「なにこの雰囲気ー!なんかやらしー!大地、お前に何してんだよー」
『あ、それは大地さんは悪くなくて、私が勝手に!あの、照れちゃって!』
大「いや。俺が安易に結婚とか言ったから!」
菅「えーーー!結婚!?なにそれ!しかもってば旭の次は大地まで下の名前で呼んでる!ズリー!俺も呼んでよ!!」
『え、だって菅原先輩はみんなからも上のあだ名で呼ばれてますし。』
菅「ジーザス!!!!何てこった!!大地!俺の事は今日から〝こーし”って呼べよな!」
大「やだよ。俺はお前の彼女か!」
菅「げー!俺はのような柔らかい女の子が好きなの!なんで大地が彼女なんだよ!気持ち悪い!やめてよね!ゴツイし!」
『あ、でもこの間旭さんのこと乙女って。』
菅「やめてー!!ヒゲで彼女はだめーー!うぅ…メンタルにきた…。着替えてくる…おぇ。」
そう言ってすっかり意気消沈して部室へ向かう菅原先輩に笑いが込み上げてくる。
つい、ふふっと笑うと大地さんと目が合う。
すると向き合った大地さんが人差し指を一本上に向けて話し出す。私の視線も自然と人差し指に行く。
大「やっぱり可愛いよな、って。俺全然大人じゃないからお前のこと独り占めしたいとか思ったりするんだぞ。」
『え…?』
大「しかも安心されても困るな。俺も男だから、いつでもお前の事狙っているからな。安心すんなよ。ドキドキしてろ。」
そう言い終わるとその人差し指で私の唇をぷにっと押して大地さんは去っていく。
『……なッ!!』
大「あんまり無防備だといつか食べちゃうからなー」
その言葉に更にボンっと真っ赤になる。
その後始まった部活の中で私は唇を真一文字に結んでボール出しをすることにして、図らずも大地さんの大爆笑をかっさらったのだった←