第4章 復帰と合宿とお猫様
日に日に猛スピードで大人の階段を昇っていく私は最近メキメキと適応力がついてきている気がする。
昨日の事は昨日の事。
過去は振り返らない!前向きだーーー!
そう勢いよく家を出る。
『蛍!おはよう!今日もありがとう!』
「何その爽やかな顔。夢で魘されてグッタリした顔を期待してたのに。」
『魘されたけどそれはそれ。過去は過去!私は前向きに行くのですよ!』
「って頭良いんだか悪いんだか分からなくなる。バカな振りしてる?」
そう言われ膨れっ面になると蛍が微笑んだ。
コイツ、生粋のドSだな。
「お褒めに預かり大変光栄です。ドM。」
今日もテレパシーはキレッキレでございました←
そして時間は進み、昼休み。
お弁当を食べ終わると昨日と同じ黄色い声が聞こえる。
今日は相手が分かっているからすぐ彼の元に行く。
影「おい。、今日こそ付き合えよな。」
月「王様、主語!」
蛍からの単語のみのツッコミに焦ったように影山君は付け足す。
影「3年の教室に。日向も待ってるから。」
『うん!』
そう言って蛍に目配せして今日は影山君に付いて行く。
そうやって連れ立って3年3組に行く。
すれ違う3年生に口笛を吹かれたり、LINEのIDを聞かれたりと道中色々有り過ぎてたどり着くまでに私はゲッソリしていた。
影「お前っていつもこんな感じなのか?だから月島はあんなに心配するのか、なんか分かるかも。お前取られたくないよな。」
そう真っ向から言われると二の句が継げなくなる。
なんでこう愛情(?)表現がストレートなのかなぁ。
蛍は回りくど過ぎて困るけど、これはこれで無自覚というか…
はッ!無自覚ってこういう事!?
いつも蛍に怒られるのはこの事かぁ!!!
人の振り見て我が振り直せ。
ふむふむ。これはこれで厄介だなぁ。気を付けます。
いつもごめんね。と心の中で蛍に謝ると遠くにオレンジ色の日向の頭が見えた。
日「あ!おい!2人共遅いよ!俺、一人で心細かったんだからな!」
影「ワリ。コイツがモテすぎて遅くなった。」
日「なんだそれ!スゲーなやっぱりは!可愛いもんな!」
その日向の言葉にまたしても私は引き攣る。
蛍がこの2人を苦手としているのがよーく分かった。