第4章 復帰と合宿とお猫様
『け、蛍!』
「宿題も終わったし、僕帰るね。」
そう伝えられると私より旭さんの方が焦っていた。
旭「わわ!俺、お邪魔したみたいだね!か、帰る!じゃ!!!」
ドタバタと音がするくらい動揺した様子で旭さんは走って帰っていった。
『蛍、せっかく持って来てもらったのに。』
「元はと言えば落としたが悪いデショ。もう落とさないように鞄に付け直しときなよ。」
その一言で全て悟る。私がカバンに付けていたのは入学式前の時だけで、それから定期入れに移動させたのもこの男は知っていたんだ。
そして頬を膨らませてキッと蛍を睨むが、その気持ちは蛍の鞄についている私とお揃いのキーホルダーによって削ぎ落とされる。
この間まで蛍は筆箱に付けていたのに、カバンに移動させていた。
なんだかんだ言ってお揃いで付けたいってことだったのね。
そう全てを悟ってニヤニヤしていると、耳を赤らめた蛍が見えた。
「次は何があっても止めないからね。」
そう呟くと蛍は私の頭をポンポンとして帰って行った。
そしてリビングに帰って私は後悔に苛まれることとなる。
どうしてあんな風に身体を許してしまったんだろう。
なし崩し的にとはいえキスする前から目を瞑っちゃったし。
よく考えたら私、超ノリノリじゃん!
いくら体の相性良くて気持ち良いとしても、付き合ってもない人とあんなことしてふしだらだ!
っていうか旭さんが来なかったら、私そのまま…
ギャーーーーー!!!
危なかった危なかった危なかった!!
全然カントリーロードじゃない!
あんなに爽やか青春じゃない!!!
聖司君は抱き締めるだけであんなにエロいことしない!
つーか、蛍にパンツ見られたし、あろうことか濡れてるって言われて。
更に蛍のナニが何回も腿に当たってて、って!感触思い出して来たら恥ずかしくなってきた!!!
その勢いのまま一人でシャワーに入るもブラを外す瞬間に羞恥心に苛まれ、パンツを下ろす時にも大騒ぎ。
すっかりシャワーで疲れてベッドに沈み込むと、追い打ちをかける様にさっきの事が思い出されてゆっくりと熱を持ちそうになってきた臍下を抑え込んだ。
こんな所で寝たら夢でまで襲われる!そう思い今日は客間のソファーで寝たが、もちろん夢の中までどピンクな夢で魘されるのだった。