第4章 復帰と合宿とお猫様
プチという音と共に最後のボタンが外されるとブラウスを開けられたのが冷気によって分かった。
そしてキスを止めて私から離れた蛍が胸を凝視している。
途端に蛍の息を呑む声が聞こえる。
……私期待外れじゃないかな?ない方ではないけどHカップ!みたいなナイスバディじゃないから…
「いや、すごく綺麗だと思うよ。ピンクのブラが色白を更に際立たせてるし。」
もう、テレパシーがキレッキレだ←
そしてゆっくりと蛍が柔らかめのキスを少しずつ下に向けながら私の身体に落としていく。
痕にはならないような優しいキスがくすぐったくて私は身を捩るが蛍は止めてくれない。
胸までキスが下りてくると蛍の身体が離れる。
いつの間にか手が解放されていたけど、もう恥ずかしくて私は顔を隠している。
そして蛍は包み込むように胸に手を当てて感触を確かめている。蛍の大きな手にかかれば私の胸はすっぽりと手に収まっていた。
そのゆったりとした手つきにドンドン心拍数が上がる。
そしてその手がブラを外そうとした瞬間。
ピーンポーン。ピーンポーン。
そうドアのチャイムの音がした。
そして寝室のモニターには旭さんの姿が映し出された。
「誰コレ。ん?この間の土手の人?なんでの部屋知ってんのさ。」
『あ!そっか蛍には説明してなかったっけ?あの人が〝旭さん”だったんだよ!この間お家まで送って行ってくれたって言ったじゃん!その時に部屋の話聞かれたから901ですーって。』
「そういうの本当に防犯上よくないからやめなね。特にエントランスのロック番号と部屋番号は機密。分かった?」
両方あなたの手中に収まってますけど…
「僕はいいの!!」
ひっ!テ、テレパシー!!
そんな中チャイムは鳴りやまない。
蛍から出るなと言われて悩んでいると旭さんの手にはあのキーホルダーが見えた。
『キーホルダー!旭さんが拾ってくれたんだ!!良かったーー!』
その一言と共に蛍の冷たい声が聞こえた。
「へー。失くしてたんだ。大切にしてたかと思ったのになくす程度の物だったんだ?」
『いや、これには訳があって!大事にしていたんだけど見つからないように付けてて大事にしまい込み過ぎて失くしたというか!本当に!あれ!大切なものなの!貰ってきていい?ってか貰ってくるね!』