第4章 復帰と合宿とお猫様
朝の蛍の言葉、
「これが部屋だったら、涼子を強く抱きしめて、息も出来ない位に君の唇を僕の唇でトロトロに溶かしていくんだ。そして君をベッドに寝かせてブラウスのボタンを1つ1つ外していく。もちろんキスしたままね。そして君のピンクのブラの上から僕が…
を思い出す。
抱きしめられる!と、ハッとしたタイミングで蛍を見ると蛍は私を見つめていた。
右腕に抱きすくめられて、左手で床を支えていて床ドン…
これはもしや今日の影山君の再現…??
そして近付く唇。
軽く触れて離れる唇に驚く。
されたことにではなく、その感触に驚いた。
言葉にするには難しいけどなんかこう…
『なんかしっくりきた、気がする。』
耳から入ってくる自分の言葉で自分が声に出してしまっていた事を思い出す。
咄嗟に口を抑えるももう時すでに遅し。
困ったように表情の和らいだ蛍の右腕に抱えられて上体を起こされた。
そのまま抱きしめられる。
「…これで、影山の感触忘れられた?」
『うん。上書き?最初から蛍でいっぱいなのに。』
「そんなこと言う位なら早く付き合ってよね。待ってるのも辛いんだから。」
『それはちゃんと蛍の事が好きって胸張って言える様になったらね。』
チッという舌打ちが上からして、ついついふふっと微笑んでしまう。
合わさった胸から蛍の早めの鼓動が聞こえて、飄々としている蛍の裏腹な鼓動にキュンとした。
これは胸キュンだ。そしてギャップ萌えってやつだ…多分。
そう納得していると腕から解放されて見つめ合う。
そこからキスされることが分かって目を瞑る。
私だって女の子で気持ちいいことは好きだ。特に蛍からのキスは幸せな気持ちになる。
愛されていると感じるというか心が満たされるのだ。
しかし私の想像と反して予想していたキスが来ない。
不思議になって目を開けるとじっくり私を観察していたであろう蛍と目が合う。
「キス、されると思った?もキス魔になったんだねー。知らなかったー。」
『蛍限定だもん。蛍とのキスは気持ちいいから好き。』
「だーかーらーそういう可愛いこと言うんだったら早く付き合ってよね。ってか、好きなのはキスだけなんだ。それも傷つく。」
『あ、いや、蛍もお友達として好きだと思うしキス目的で一緒にいる訳じゃないし!』
「知ってる」