第4章 復帰と合宿とお猫様
パッと目が合った蛍はそれはそれは意地悪な顔をしてニヤリと笑った。
あ、コイツ、言う気だ。
〝あんなに気を付けろと言ったのに、人の忠告を聞かなかったのは君デショ?”
そんな幻聴が聞こえてくる。
…テレパシー?
月「っていうかはファーストキスだったの?」
蛍が一番知ってるくせに、わざとらしく聞いてくる。
その言葉に皆の視線が集まるのを感じながらゆっくりと首を振る。
月「そっか。じゃあセカンドキス?」
私はまた首を振る。
月「そうだよね、全部僕が貰ってるもんね。小学生の時に。」
「「「「はぁぁぁぁぁぁ!???」」」」
『蛍のバカァァァ!!!!』
恥ずかしくて真っ赤になる私と、混乱する皆。
それはそれは体育館は嵐のような騒がしさになっていた。
その中でも言い合う男が2人。
西「小学生の時ってお前!そんな前から知り合いだったのか!?」
月「はぁ?西谷さんも居たじゃないですか。小学生の時夏休みに体育館でバレーよくしましたよね。」
西「あ!あん時のムカつくガキは月島!お前だったのか!いたいた!のケツ追い掛け回していたもんな!」
月「そんなことしてないですし。名前聞いても思い出さないなんてどんだけ単細胞なんだか…」
西「なんだと!先輩に向かって!お前はいつ思い出したんだよ!」
月「…思い出したも何も全く成長してないじゃないですか。背が。」
西「テメェ!!!!!表出ろォォォォ!!!!」
そんな小学生のような言い合いになんだかどうでもよくなってきた。
今日は朝から疲れることばっかりだ。とため息を吐いていると菅原さんが隣に来ていた。
「大丈夫?ああ見えて月島結構気にしてるみたいだから、帰りにでもフォローしときなよ?」
『蛍がですか?はぁ。分かりました。』
「そんでもって月島とだけじゃなくて、今度は俺とも帰ってくれると嬉しいな。」
そう言ってニカッと笑う菅原さんに釣られて私も笑う。
「あー、もう!その笑顔反則!抱きしめたくなっちゃう!」
そう言いながら腕が伸びてきて、今度は菅原さんの腕の中。
いつかと同じ菅原さんの爽やかな男性の香りに少しドキッとした。
西「だーーーー!そうこうしている内に今度はスガさんが!!」