第4章 復帰と合宿とお猫様
『え?』
私がそう聞き返すと同時にものすごい勢いでゆうちゃんが走ってくる。
「!!!大丈夫か!?龍!どこに打ってんだよ!!」
そんな声にハッとするが、影山君はこちらを見たまま動いてくれない。じーっと観察されている。
その真剣な顔にこちらも緊張する。
あれ?これってなんかキスされる前って感じがする。
キス歴4回のベテラン(?)の私には分かった。
そしてその勘は当たる。
影山君が床ドンの体勢のまま、流れるような動きで近付いてきて私の唇と彼の少しかさついた唇が重なった。
そして離れる。
全ては一瞬の出来事だった。
その後はもうご想像通り。
体育館は爆発するような皆の驚愕の声に包まれ、ゆうちゃんの怒号が響き渡る。
西「影山!テメェ!嫁入り前のの清らかな身体に何してくれてんだぁぁぁぁぁ!!!」
田「……なんだあれ。大人すぎる…。」
日「えー!影山とってコイビトだったの!?スゲー!影山大人ーーーー!」
菅「えー!公認!?公認なの?俺狙ってたのにー!って、大地!落ち着いて!」
澤「お、お前らーーー!神聖な体育館で何さらしてくれてんだぁぁぁぁーーーーーー!!!しかも部活中だぞ!部活!BU・KA・TSU!」
山「す、すごいね影山君。みんなの前で……あれ。ツッキー??」
月「…ムカつく。」
そんな中私の上からようやくどいた影山君は驚いていた。
---え、何その顔。
そう思っていると影山君もようやく口を開く。
「お前……俺に何させてんだァァァコラァァァ!!!」
『はぁぁぁ!?』
私がキスされたのにまるで私にされたみたいな態度に驚く。
なにこの理不尽。
西「お前!の大事なファーストキスを奪っておいてなんだその態度は!!お前にとってはただの一回かもしれないけどな、女子のファーストキスは大事なんだからな!イトコじゃなきゃ俺が貰うはずだったのに!!くそったれーーー!!!」
影「いや、俺もファーストキスでしたよ。」
西「知るかー!!んなこと!お前の事なんてどうでもいいんだよ!!問題はのファーストキスをお前が奪ったことに問題があるんだよ!!!」
その会話にふと現実に引き戻される。
この流れはやばい。そう思い蛍を探す。