第3章 仲間と4強と守護神
田「コラ!ノヤ!先輩をそんなふうに言うんじゃねェ!」
西「うるせェ!!根性無しは根性無しだ!旭さんが戻んないなら俺も戻んない!!」
そう言い捨てるとスタスタと体育館を出て行ってしまった。
なによ。自分は女好きの、節操なしのくせに←
その後ろを日向が追っていく。
その様子を目だけで追っている私に菅原さんが歩み寄って来た。
「ごめんね。驚いたでしょ?色々あってさ。」
『大丈夫です。昔から筋が通ってないとああなっていたので。今回の件も、もう1人の当事者の人からなんとなく聞いているので。ゆうちゃんが怒るのも無理はないかな、って。』
「え!?は旭に会ってるの!?」
『多分、この間助けて頂いて、あの…ヒゲの方ですよね?強面の。』
「ぷっ。そう。ヒゲで強面で乙女の!ははは!」
菅原さんに凄く笑われてしまった。
やっぱりあのヒゲの人が旭さんで、あのリベロはゆうちゃんだった。
私は一方の話しか聞いてない。
ここはきちんと双方の意見を聞かないと!そう思い私もゆうちゃんの歩いた方向へ向かった。
「なんつっても俺は先輩だからな!!!でも部活に戻る訳じゃないからな!お前に教えてあげるだけだからな!」
機嫌を直したのかそんな明るい声が聞こえて来る。
そして日向が体育館へ戻っていくのと交代で私が今度はゆうちゃんの隣へ行く。
「おう!!ビックリしたぞ!何で言ってくれなかったんだよ!」
『ビックリさせようと思ってさ。ゆうちゃんのパパさんには言ってあったけど口止めしてたの!
でも一応新入生代表で入学式でも挨拶したからバレてるかと思ったんだけど、その様子なら成功だったみたいだね。』
「入学式??あぁ、あの日は新年度だから教頭に謝りに行ったんだけど、むしゃくしゃしてたから走りに行ってて出席してねぇな」
『なにそれ。単細胞。』
「お前、口悪くなってねェか??」
そう言って2人で笑い合う。
やっぱりいとこって特別でいつでも会えば昔通りに話せるもので。
そして私は例の旭さんの件を今度はゆうちゃんから教えて貰った。
その語られる話にはやっぱり同じリベロである私には、痛いほどゆうちゃんの気持ちが伝わってくる。
『これで全部分かった。双方の言い分も分かったよ。』
そして精一杯の言葉で伝える。