第3章 仲間と4強と守護神
そんな青城のバタバタの中、私は暢気に向こうで烏野の皆に向かって行っている影山君の説明に耳を傾けていた。
この及川さんという人と岩泉さんは影山君の中学の先輩らしい。
確かに岩泉さんの怒り方は日向を怒る時の影山君とそっくりだったもんね。
ボケェ!ってさ。
そしてこのヘラヘラの及川さんは蛍より性格悪いってさ。
超絶チャラいのに性格も悪いとか最低じゃん←
そう結論付けた私はそのプレーを見て納得した。
サーブは蛍ばかり狙っていて本当に腹立たしかった。でもその言葉はごもっともで試合としては正しい攻め方である。
今度蛍のレシーブ強化しなきゃなぁと思いながらサーブを見守る。
なんかウズウズしてきた!あれくらいなら私取れるかも!
そう思うと居ても立っても居られなくなり後で受けさせてもらおう!と心で密かに決めた。
結局、なんとか日向が決めて烏野が勝った。
そして両校講評が終わる。
挨拶もそこそこに、武田先生に一本だけ、と約束してすぐさま及川さんの元にお願いしに走る。
「俺のサーブを?君が??」
『お願いします!見てたらどうしても体感してみたくて!!一本だけ!全力でお願いします!』
「こんなに可愛い子のお願い断れないよー!でも俺のサーブかなり凄いよ?怪我しちゃうかもよ??」
『大丈夫です!お願いします!!』
そう頼み込んで、岩泉さんの制止も振り切って反対側のコートに行く。
澤「おいおい。大丈夫か??」
蛍「無理と思ったら言い出さないから大丈夫だと思いますよ」
そんな烏野勢の心配の声と諦めの声を後ろに受けながら及川さんのサーブを受ける。
「行くね!!!!」
その掛け声とともに流れるようなモーションでサーブが打ち出される。申し分ないスピードと回転で飛んでくる。
わざと避けてくれたのであろう、少し左に落ちる様に打ってくれていた。
そして私もボール着地地点に素早く移動しレシーブを受ける。
インパクトの瞬間に少しぶれたが、完璧に勢い、回転を落としたボールはセッターの立っていた場所に綺麗に飛んで行った。
そして体育館は静寂に包まれる。
田「スッゲーーーーー!!さすがバレーの天使!!ベストリベロ!!!ボールが吸い込まれていくみたいだったぜ!!!見たかコラ。青城コラ。超可愛いうちのマネージャー羨ましいだろ!」