第2章 新学期と新生活と入部
そんな私達を見かねて間に菅原先輩が割って入って下さった。
菅「はいはい。田中。もういいだろ?いつもどんだけモテないんだよ。お前。」
その一言に田中先輩は固まり、周囲は大爆笑に包まれる。
そんな中、部活は解散となった。
その後菅原先輩にジャージのお礼を言って、明日洗って返す旨を伝える。すると先輩からいいからそのまま返してと言われる。
私が困っていると更にダメ押しされる。
「俺、風邪ひいちゃうかもよ?」
そういたずらっ子のように言われてそこまで考えてなかった私は、急いでジャージを脱いで菅原先輩に渡す。
先輩はすぐそれを羽織る。
『あの、ありがとうございました!』
「良いってことよ!それより、ジャージからなんかいい匂いがする。女の子の香りがする。」
『え!!私が着たときはなんか男の人の良い香りがしました!菅原先輩の香りがしたのに!』
「俺に抱きしめられてるみたいだったろ?」
そう意地悪そうに茶目っ気たっぷりで言ってくる菅原先輩に慌ててしまう。
『うぅ…秘密です。明日からは服装に気を付けますね。』
菅「おう!そうだな。思春期の男の妄想力と性欲をあんな舐めんなよ!お前なんてすぐ頭ン中で下着姿にされちゃうぞ。」
田「そうだぞー!なんて俺の妄想にかかればすぐに素っ裸だからな!」
そう誇らしげに言う田中には最早声を上げることもままならなかった。
その代わり〝変態!!”という言葉と共に田中の頬に平手打ちが飛んだ。
そして潔子さんからも冷ややかな目線が飛ぶ。
しかし田中は実に幸せそうに悦に入った顔で頬を抑えていたのだった。
体育館での平手打ち事件のあと、私は蛍と山口君と一緒に帰っていた。
すると外で2人でバレーをする例の2人を見つけた。
蛍からここで待つようにと言われて1人で離れた所で待つことになる。
そこから蛍は山口君と彼らのところに行き、多分からかったのだろうなんだかワーワー言っている姿が見える。
話が終わったのか、2人組から離れようとしていたので慌てて蛍に駆け寄る。
すると3組の影山君と目が合う。
「お前なんでいるんだよ!」
そんな怒った口調に思わず私は怯む。
バレー部のマネージャーだから、と小さい声で呟くとバツの悪そうな顔をし一言だけ呟いた。
「そっか」