第2章 新学期と新生活と入部
、アウトーーー!!!
そんな言葉が頭の中を木霊する中、先輩が焦っている。
菅原先輩が着てって言ったのに、ダメってなんだそれ。
落ち着いてみると先輩のジャージから甘いいい匂いがした。
さっき香った清水先輩とは違う、少し男の人の香りに今更ながらドキドキしてきた。
それを気取られまいと、先輩に何か言おうと試みる。
えーっと。んーと。なんだか今の私のこの姿アレみたいだ。
この間クラスの友達が言っていた彼氏の服を着るやつ。
あ、そうそう!思い出した!
『先輩!これって彼シャツみたいですね!』
「……っっ!!!」
私の言葉に更に赤くなった菅原先輩に、私も更に意味が分からなくなりオロオロしていると蛍の声が聞こえる。
「無自覚で恐ろしいデショ。先輩も気を付けた方がいいですよ。」
その言葉に菅原先輩は「よくわかったよ!」と言い放ち、また赤い顔のまま練習に戻って行った。
訳も分からずとりあえず脱いだスカートを軽く畳み、私もその後を追う。
コートに戻ると田中さんは今度は菩薩みたいな顔になっていた。
彼は何かを超越したらしい←
練習後に皆さんと片づけをしていると部長の澤村先輩に疑問をぶつけられた。
「ってさ目が悪いのか?普段、メガネなんてしていたか?」
一瞬躊躇ったが今後の事も考えて私の弱点を説明した。
すると澤村先輩から早速質問が来た。
澤「弱点についてはよく分かったけど、この間は田中のアタックを打った時には平気そうだったよな?
…相手の問題か?」
田「ぐはッ!!大地さん!オブラード!!!」
『あー。あの時はアタックの瞬間見てないですから。インパクトの瞬間さえ見なければ大丈夫みたいです。』
「なるほど。」
と言って澤村先輩は納得した様子だった。
その横でウズウズし始めた田中先輩。
田「なぁなぁ!それって一時的なんだよな!ちょっと俺で試してみてーんだけど!」
菅「なんだ、田中。お前キャーキャー言われたい願望丸出しじゃないか。恥ずかしいぞ。」
澤「スガ、一生に一回くらいは田中だって黄色い声援を浴びる権利位あるんじゃないか。」
田「大地さん…フォローになってねぇッス…」
コントのようなやり取りに笑いながら、不思議と田中先輩の申し出に悪い気はしなかった、