第2章 新学期と新生活と入部
途中で田中さんが「胸元のリボンが揺れるのが天国」とか「履いていると分かってもスカートの揺れは天国」とか言っているのが聞こえてきた。
単純だなぁと思ってたら蛍から強めのスパイクが飛んできた。
しかもかなり強めの。
冷静に勢いを殺してレシーブすると蛍が走って来た。
「いいから、早くここでスカート脱いで。」
その一言で私は鈍器で殴られたような衝撃が走った。
いいから脱いで!?いや、よくねぇよ!
皆の前で!?
いや皆が居なくてもダメだけど!!
そう顔を赤くして困惑すると蛍が慌てたように付け加える。
「スカート履いてたら逆にいやらしいから脱いでズボンだけになって!」
『いやら…!!…いやらしいって!!!』
落ち着かせるために言ってきた蛍の言葉に更に混乱して収集のつかなくなった私の元にあの爽やかな菅原さんが走って来てくれた。
「おいおい月島ー!言葉だけ聞いたらそれセクハラだべ。」
その一言に今度は蛍がショックを受けていた。
蛍「僕は、部活にとっていいように言っただけで深い意味はありません!!」
菅「分かってる分かってる!でもさんは理解していないみたいだから意味ないでしょ。こーいう時は先輩に任せなさい。」
そう言うと菅原先輩は依然顔からの発熱の引かない私をコートの外に連れ出してくれた。
『すみません。先輩にまで気を使わせちゃって。』
そう謝ると菅原先輩はまた笑顔をみせてくれ説明してくれた。
「なんとなく分かるかもしれないけど、田中は女子に対して基本的に慣れていなくてさ。だからスカートとかに過敏に反応しちゃうんだよね。
更にアイツは動物みたいだから揺れるものに反応しやすい!
要するに、年頃の俺達にはやっぱりその…ドキドキしちゃうものなんだよね。制服は。俺は嬉しいけど。
だから、はい。これ。上はこれ着て。」
そう言って菅原先輩のジャージを渡される。
せっかくの親切心を断るのもわるいので、シャツの上から先輩のジャージを着る。
そしてスカートを脱いで下は半パンだけになった。
これで揺れるものは隠せた!と笑顔で先輩を見る。
途端に菅原先輩の顔が真っ赤になり顔を背けられる。
「、それはそれでアウトだわ」
年末の特番の独特のアウトコールが私の頭の中で再生された←