第6章 壮行式とインターハイと期末テスト
side 蛍
『…蛍、脱いだよ。』
か細く震えるような声で愛しいが僕の名を呼ぶ。
羞恥心で震えているその声だけでもう押し倒してしまいたくなる衝動をグッと堪えた。
そしてゆっくりと振り返るとそこには想像通り真っ赤に頬を染めた下着姿のが居た。
今度は聴覚ではなく、視覚から来る刺激にまたしても襲いたくなる衝撃に駆られるがグッと我慢する。
そうでなければ本来の目的がパァになってしまうのだから。
いちいち僕の理性を全力でぶち切ろうとする可愛い彼女に、このドキドキを悟られないように気を付けながら指令を出した。
蛍「じゃあ早速始めようかな。とりあえずベッドに座って。」
『…う、うん。』
少し吃りながらそう返事をするとチョコチョコ歩いてきてはベッドに腰掛ける。
僕はその隣に彼女の映った雑誌を持って行き、横に並べた。
「なんか違うなぁ…もうちょっと首を傾げてみて?」
『こう?』
「そう。あと、もうちょっと口は半開きな感じ。」
『半開きって……こ、こうかな?』
戸惑いながらも一生懸命従うにキュンキュンしながら、おくびにも出さない僕は淡々と指令を続ける。
「それは半開きだけど、なんか馬鹿っぽい。こう、僕を誘う感じでやってみてよ。」
『で、出来ないよぉ…』
「そう。じゃあ教えてあげる。」
そう言っての方に近寄り僕は彼女の口を塞ぐ。
柔らかい彼女の唇を味わいながらゆっくりと舌を唇に沿わせれば、自然とは口を開けた。
そのタイミングを見計らって離れると、そこには欲に濡れた瞳をした彼女が居て。
僕は隠し持っていたカメラでその姿を撮影する。
『!!!』
「出来るじゃん。誘う顔。」
その言葉にボンッと音が出る程真っ赤になった。
ーーーあぁ、なんて僕の彼女は可愛いんだろう。
その後も誘った顔なんてしていないと言い張るにさっきの写真を見せると、途端に黙った。
どうやら、〝誘う顔〟については認めたみたいだが、今度は消して!!と騒ぎ立てている。
ーーーそんな姿さえも可愛いと思う僕は相当重症みたいだ。