第6章 壮行式とインターハイと期末テスト
武「みんな!生活指導の馬橋先生がこっちに向かって来ているから早く片付けて!!ほら!急いで!」
生活指導の馬橋先生は学校1厳しいと有名な数学の先生だ。
しかもネチネチとした性格で、一度目をつけられるとしつこく付きまとう人で。
かくいう私も、その1人。
もちろん不良的な意味合いではなく、全く逆の意味で。
彼曰く、彼の作ったテストで満点を取った学生は居ないそうなのだ。
しかし私は入試+入学直後の学力テストで2回連続満点を取ってしまったのだった。
元々数学が得意という訳でもないんだけど…
そしてつい先日、馬橋先生から呼び出されて熱い気持ちを打ち明けられたのだ。
馬橋「君は実に優秀だ。私のテストで満点を取るなんて。
しかも一度ならず二度までも。どうだい?僕の学内ゼミに入る気はないかい?君なら特別対応だよ?」
『あの…部活忙しいので流石にゼミは無理なんです。すみません。失礼します。』
という感じで即答で断ったのだが、それからも彼はしつこく勧誘を続けてくる。
武「……さん?……さん?大丈夫?」
『( ゚д゚)ハッ!……すみません。物思いに耽っていました。片付けます!!』
武田先生の声でようやく現実に引き戻された私は慌てながら皆の輪に戻って片付けを始める。
そんな私の背後から例の声がした。
馬「バレー部。まだ帰宅してないのかい?一体部活時間は何時までだと思ってるんだ?
……おっと、。君も居たのか。こんな部活なんぞに居ても無駄だ。君はもっと学力に時間を使った方がいい。」
そう言ってニタリと笑うと彼は踵を返して体育館を去って行った。
夕「相変わらず気持ち悪い奴。、大丈夫か??」
『あ、うん。』
彼の下衆な笑い方に私はとてつもない嫌な予感がしたが、首を振り皆の元で戻るのだった。
彼によって数ヶ月後に自分の身に降りかかる悪夢の事なんて私は知る由もなかった。