第6章 壮行式とインターハイと期末テスト
大「なんだ、は牛若と面識あったのか?それに伊達工まで。」
『あ、はい。でも一応取材で知ったことに関しては箝口令が敷かれているので情報は漏らせないんです。
フェアじゃないので。』
なるほど、といった様子のメンバーの横で田中さんと夕ちゃん、日向と影山君はクエスチョンマークを浮かべている。
山口君から「箝口令っていうのは内緒っていう事」と教えて貰ってようやく理解していた。
その横で不機嫌な顔をした蛍が視界に入り、私は慌てる。
そんな様子に気付いた蛍は私の腕を掴んでズルズルと皆の輪から離れていった。
蛍「ちょっとあれ、どういう事?」
『ど、どういう事って…取材しただけなんだけど…』
雑誌自体は皆が未だに囲んで読んでおり手元にないが、蛍の言う“ アレ”とは間違いなく月刊バリボーの事だろう。
「ただの取材じゃなかったよね?」
『え?ただの取材だよ!バレーの!』
「取材先で口説かれまくるのが“ただの”取材なの?僕にはそうは思えないけど。」
『ぐ、何故それを…』
その場に居たものしか知り得ない情報をどうして…と考えあぐねていると、離れた所である皆の輪にいる日向の声がした。
日「!お前スゲェな!超モテてるんだな!」
タイムリーなその話題に顔を向ければ日向の手には雑誌が握られており、私は全てを理解した。
田「伊達工、青城、それに牛若まで!俺がいない間に好き勝手にを口説きやがって!!
チクショー!!、俺とぉー付き合ってくださぁぁい!!」
『あ、レポーターしている間は誰とも付き合えないんです。すみません。』
田「速攻ッッ!でも断り方も可愛いぜ!コンチクショー!」
夕「漢だぜ!龍!じゃあ俺も!、俺と付き合ってくれェェ!!!」
蛍「誰かのついでに告白するなんて最低ですね。」
夕「ぐは!!」
西谷夕に100のダメージ。こうかばつぐんだ。
そんなしょうもないやり取りをボーッと見ているとまた体育館に武田先生が走り込んできた。
そして焦った様な声が聞こえてくる。