第2章 新学期と新生活と入部
という弱点を必死に蛍に説明するも結局帰ってきた答えは
『そんなの関係ないデショ。に拒否権なんてない。』
で。結局私は半ば無理矢理バレー部のマネージャーになることになる。
「とりあえず今度の放課後練習見に行くよ。その眩しくなる症状もなんとかしないとね」
なんだかんだ言って対処法まで探してくれようとしている蛍に笑みが零れる。
こういう所が蛍の素直じゃない所だ。
結局私にマネージャーをやって欲しいっていうのを遠回しに叶えるために何かと考えようとしている可愛い蛍に私は愛しさが込み上げてきた。
『よろしくお頼み申す。』
「なぜ、武士???」
そう言って二人で笑い合う。
先生の資料手伝いに呼ばれた山口君と教室前で別れて、放課後蛍と体育館に向かうとなんだか体育館はザワザワしていた。
こっそり遠くから体育館内を眺めて事の顛末を把握する。
ヅラを吹っ飛ばしたちっちゃい子と3組の入学式の時に隣にいた彼は外に締め出されてしまった。
途端に見つかりそうになり私達はコソコソと逃げ出す。
結局ちゃんとしたバレーは見れなかったため、私達は体育館に落ちていたバレーボールを拝借し、近くの公園でバレーをした。
私がトスを上げて、蛍がアタックし、私が拾い、蛍がアンダーでボールを繋げる。
そんな単純なことを繰り返していても私は眩しくならない。
本気で打ってって言っても全然蛍は打ってくれないし。これじゃあ対処法を見つけられないよ。
と思っていたら私の手からボールがあらぬ方向に飛んでいく。
その先には薄水色のジャージの人が居て、下を向いていたはずのその人はボールに気付くと反射的にといった感じに全力のアタックを打ってきた。
そのボールは私に一直線に飛んでくる。
「わ!すまん!体が勝手に!!!」
そんな声と共にボールが飛んでくる。その途端にスイッチが入る感覚に思わず身震いしそうになる。
これだ。
この瞬間の為に私は生きてきた。この瞬間はいつも私にそう思わせる。
そして私はボールを受け、蛍の元へ返す。
歓喜と共に湧き上がってくる、私の弱点のあの眩しさに目が眩みそうになる。
途端にしゃがみ込む私に蛍とボールを打った張本人が走り寄ってくる気配がした。
蛍の焦った声がする。
「!ちょっと!大丈夫!?どこか痛めた!?」