第2章 新学期と新生活と入部
てっきり〝気持ち良かった”とか甘い答えが返ってくると思っていたらしい蛍は固まっていた。
これはあれだ。本当の事を言うべきか迷っている雰囲気だ。
その時点で黒だ。真っ黒だ。
結局、蛍は彼女作ってウハウハになっていたんじゃないか。
最初の想像通りじゃないか。
なんだか…悲しくなってきた。
俯いて目に透明な膜が張りそうになるのを堪えていると今度はポツリポツリ蛍から弁明が聞こえてきた。
「付き合っていた子がいたわけじゃなくて、あの時の、とのキスが忘れられなくて告白してきた子と何人かとキスはした。
でもあの時の様な気持ち良さは得られなくてさ。
僕、もう男としてダメなんじゃないかなって思っちゃったよ。」
蛍の衝撃の告白に頭が全然付いていかない。
付き合う前の子にキスの快感が欲しくて手あたり次第キスしまくっていたってこと??
…キス魔じゃん←
でもそれはあの時のキスが良かったからってことで…
『結局、キス魔の蛍の気は収まったのかな??』
そうからかうように聞くと
「うん。凄い良かった。これって身体の相性良いってことだよね?はどうだった?」
『う……教えてあげない。』
そう言って膨らんでしまったに蛍は畳みかける。
「ねぇ。僕たち付き合わない?」
その一言に頭を殴られた気がした。
『身体の相性で付き合うって…蛍ってそんな人だったんだ。引くなー。』
「そ、そうじゃないけど。言わせないでよ。」
『じゃあまだ付き合うとかはよく分かんないから聞かないね。答えは保留!』
その一言でフッと空気が緩んだのを感じた。
そして蛍はまたもや爆弾発言をする。
「じゃあさ、マネージャーになってよ。どっちにしろ満足なお礼を自分からしてくれなかったんだし。」
『それは無理。』
即答したのには訳がある。
には弱点があるのだ。
バレーをしている人がかっこ良くて眩しすぎて直視できないのだ。
女子バレー部にいた時もなるべくなるべく男子のプレーは見ないようにしていたけど、ついには女子のプレーでも眩しくて直視できなくなってしまった。
だから高校はバレー部に入部しなかったのだ。
もうひとつ理由はあるけど、、、それはまた今度。