第6章 壮行式とインターハイと期末テスト
菅「やっぱりも知ってたんだな?途中から妙にしっかり雑誌を固定してたからそうかなー?って思ってたんだよね」
『……ぐぐ。』
全てお見通しなのに黙っていたスガさんにグウの音も出ない。
この人はそのまま私を手のひらで転がしていたのだ。
そう思うと更にスガさんの顔が意地悪に見えてくる。
そしてそのまま手を差し出してきたスガさんに雑誌を手渡す。
その手に雑誌が渡る刹那、スガさんの手は雑誌を掴まず私の手首を掴んだ。
そして彼の方に引っ張られる。
倒れ込まない様に力を入れたお陰でなんとか倒れなくて済んだが、少しだけ彼にもたれ掛かる様な体勢になった。
そのままスガさんの口元に私の耳が引き寄せられて誰にも聞こえないように囁かれる。
菅「誰にも言わないから安心して。この中のは俺だけのもの。
あと、この中のには今日から夜のお供になってもらうから♡」
『……!!』
そう言い放ち、ニヤリと笑ったスガさんはもはや悪の大魔王そのもので。
しかもイケメンの。
どう見ても悪役な彼の存在に頭がクラクラした。
『先輩の、変態…』
真っ赤な顔を隠すようにそう呟けば更にスガさんの笑顔は輝く。
菅「今のいいねー!もっと言って?」
『……ぐぐ。』
本日2度目のグウの音も出ない状況。
ーーーこの人、絶対楽しんでる!!
キッと先輩を睨み、離れると同時にボールが飛んできた。
その拍子に手から雑誌が滑り落ちる。
そしてバサバサという音と共に開かれたのは、運悪く私のページだった。