第6章 壮行式とインターハイと期末テスト
鵜「そんで、そいつらの誰にももう“飛べない烏”なんて呼ばせんな!」
全「「「アッス!!!!」」」
武「みんなまだ居る!?遅くなってごめん!会議が長引いちゃって…
それで、出ました!インターハイ予選の組み合わせ!」
一致団結したところで、体育館のドアが開き武田先生が走り込んできた。
手に持っている紙はどうやらインターハイの組み合わせらしい。
「一回戦勝てば二回戦、伊達工も勝ち上がってくれば当たりますね。」
そう誰かが呟けば、蛍の冷静な声が響く。
蛍「それだけじゃないですよね。うちのブロックのシードに居るの青葉城西ですよ。」
鵜「おい。さっき言ったこと忘れてねェよな?上ばっか見てると…」
大「分かってます。目の前の一戦…絶対取ります!」
大地さんの一声で皆引き締まり、円陣を組んでまた士気を高めた。
その後は皆が口々に興奮したような様子で声高に試合に向けての意気込みを語っている。
武「それではみなさん、そろそろ遅いですから片付けましょう。」
その一言でメンバーはそれぞれ後片付けに動き出した。
1年生はモップを取りに行き、2年生はボールを片付け、3年生はネットを緩める。
その様子を見ながら、私は未だに握りしめていた持ち主の分からない【月刊バリボー】をどうすべきか決めあぐねていた。
---誰もこの雑誌取りに来ないし、いっそのこと捨ててしまおうか…
そこまで考えた所で後ろから声を掛けられる。
「あ、。それ俺の雑誌なんだ。持っててくれてサンキューな。」
振り返るとそこにはスガさんが居た。
内心バクバクしながら、私は平静を装って雑誌を手渡す。
『も、もう先輩。要らないのかと思っちゃいましたよ。』
菅「俺だってまだ全部見てないんだから~のページとか、さ?」
『え……』
爽やかに笑ったスガさんの顔が私には全然爽やかに見えない。
今、私の名前を言ったよね…?
『どうしてそれを……』
菅「そりゃあ今回の雑誌の目玉なんだから、表紙にも載ってるよ?」
そう言ってスガさんの指した表紙にはデカデカと【話題の美少女、鮮烈デビュー!!】と書いてあった。
そして、絶句する私にスガさんは更に畳み掛ける。