第6章 壮行式とインターハイと期末テスト
話題はまだ若の事で。
皆口々に言いたいことを話している。
その横で私はさも興味有り気に引き続きページを固定していた。
菅「影山、こんな奴が居る所に行こうとしてたんだなー。」
田「それであれだろ?超高校級エースに向かって“もっと早く動け下手くそ”とか言っちゃうんだろ??」
影「言いません!!!」
田中さんが影山君を茶化している間も隣に居る日向はジーッと若のページを見つめている。
『…強そうで気後れしちゃった?』
日「いや…でも。これを倒さないと音駒とは戦えない…」
鵜「コラコラ。白鳥沢だけが強敵じゃないぞ。」
そう言いながらまっ金髪の鵜飼コーチが私達の間に入って来た。
今日も見事な金髪だ←
菅「他は、去年のベスト4とかッスか?」
鵜「それも勿論だが…今年は他にも強敵が居る。」
更にそう続けながら鵜飼コーチはポケットから何やら他チームの情報をまとめた紙を取り出した。
いつの間にかそんなものを纏めていたみたい。
---鵜飼さん…ズボラっぽいのに。凄いな。
鵜「守りと連携に優れた和久谷南と、鉄壁の一言に尽きる伊達工業。どこよりも高いブロックを誇るチームだ。
伊達工には今年3月の県民大会で、2-0で負けてるな。」
鵜飼コーチのその言葉に先輩方にわずかだが緊張が走った。
伊達工に負けたというのは、例の旭さんが完全にブロックされたという件と関係しているのだろう。
鵜「次、ああ。こことはこの前練習試合したんだってな?
セッターながら攻撃力でもチーム1、勿論セッターとしても優秀。
総合力では県内ナンバーワンプレイヤーの及川徹率いる青葉城西。
ここは去年のベスト4だな。
あとはいわずもがな…超高校級エース、牛島若利率いる王者白鳥沢。
こんな感じか。詳しい事はまたその内な。」
大&菅「(鵜飼さん…ズボラっぽいのに!!)」
『(ですよね!!)』
鵜「お前ら何か失礼なこと考えてないか?」
その問い掛けに私達3人は全力で横に首を振る。
鵜「とまぁ…この辺が今年の4強だ。と言ってみたものの上ばっか見てると足を掬われることになる。
大会に出てくる以上負けに来るチームなんていねぇ。全員勝ちにくるんだ。
俺達が必死こいて練習している時は当然必死こいて練習してる。」
そして、鵜飼コーチはニヤリと笑った。