第6章 壮行式とインターハイと期末テスト
所変わって『月バリ』の東京の編集部では明日発売の月バリの最終チェックがされていた。
そこには月バリ東北地区編集長の竹本と雑誌編集部長が居た。
編集部長はもちろん編集長より立場が上だが、長い付き合いでお互いツーカーな為、出版日前日はこうして2人でチェックするのが恒例となっている。
「観たぞ!竹本!今月の月バリは熱いな!!」
竹「編集部長、お久しぶりです。観て頂けましたか!」
部「いや〜!このちゃんだっけ?いいねー!」
竹「ですよね!魅力的な同世代のアイドルの様な女の子と絡んだ時に見せる選手達の男らしい顔が良いですよね!
特にこのページ!牛島若利君!硬派な彼らしい感じがまた良いですよ!」
そう言って竹本は牛島若利がデカデカと写っているページを指さす。
見開きの隣のページにはの姿があり、2人の応戦や握手の写真が写されていた。
部「ほぉー。あの牛島君とやり合ったのかい?凄いなー。
それにしても、うーん、やっぱりちゃんはどこかで見覚えがあるんだよねー」
竹「フッフッフッ、部長は彼女の事忘れちゃったんですか?
ほら、練馬区音駒に住んでたあのベストリベロの子ですよ!」
部「え!?ちゃんってあのベストリベロの子なの!?
へー!あー!そっかぁー!納得。それで牛島君のレシーブをね。
じゃあ君はずっと練馬にいた時からずっとアプローチしていたちゃんにようやく振り向いて貰えたのかー。」
竹「そうなんですよ!あんなにフラれた甲斐がありましたよ!
って言っても向こうは私の事なんて覚えていないみたいですが。
それでも、今一緒に仕事が出来て光栄なんです。」
ドキドキとルンルンを併せ持ち、さしずめ恋する乙女のような竹本に釣られて部長も嬉しくなった。
しかし彼には気になることがあったようで、ふと顔が曇る。
部「でもこんなに可愛い子が居て、あの子の身の安全は大丈夫なのか??」
竹「とりあえず高校名等は伏せているので今は大丈夫ですが、ネットの発達もあるのでまぁ時間の問題ですね。
後は彼女の周りのナイト達に任せてます。」
そう言って竹本はニヤリと笑うのだった。