第6章 壮行式とインターハイと期末テスト
拍手喝采を浴びながら私達は壇上を降りる。
そしてその勢いのまま講堂を出て、校舎の陰で成功を祝した。
田「大成功だったな!!」
夕「あの一体感!きっと全校生徒が俺たちバレー部の為に勝利を祈ってくれる筈だぜ!!」
田「そしてのこのチア姿!前列の男達は皆鼻の下伸ばしっぱなしだったな!流石学園のアイドルだ!」
『いやいやいや!そんなことないですよ!滅相もない!潔子さんに比べたらまだまだです!』
蛍「あ、バカ…。」
田「潔子さん…だと…」
夕「潔子さんの…チア姿……!はう!」
田「耐えろ!耐えるんだ、ノヤッさん!」
そんな2人を虫を見るような目で冷ややかに見つめる蛍と私。
---少しでも先輩を尊敬した私が馬鹿みたいじゃないか…
そう思っていると蛍はいたずらを思い付いたような顔をした。
蛍「そういえば、。そのスコートの下ってパンツ??」
『はぁ!?ちゃんとブルマ穿いてます!!』
突拍子もない蛍の発言に慌てて修正すると、先輩2人は震え始めている。
田「ぶ、ブルマだと……!!そんな絶滅危惧種を今、穿いているのか……見たい……犯罪になってもいい!見たい!!」
夕「クソッ…!龍、お前また鼻血が…!!」
縁「またティッシュかよ…」
そんな混沌とした現場を正気に戻したのは大地さんの憤怒を帯びた声だった。
大「お前らァァァァ!!!!」
田「え?」
振り返ると、まさに鬼としか形容しようのない大地さんの顔があった。
頭と肩からは憤怒の湯気が出るオプション付きだ。
田「え……俺達、大地さんに喜んでもらおうと思って…!」
夕「皆にバレー部を応援してもらおうと思って……!」
良かれと思い何日も必死で準備した“サプライズ”で叱られてしまい2年生たちはすっかりしょげてしまった。
…私達2人は「まぁ、そうだろうな」といった感じだったが。
そんな私達をジロリと見た大地さんは重々しく口を開ける。
大「……お前ら、自分たちのしたことを分かっているのか??
全校生徒の前で、これだけのことをしでかしたということはだな……
もう、絶対負ける訳にいかないってことだぞ!!!」
そう言って大地さんはニヤリと笑った。