第6章 壮行式とインターハイと期末テスト
その胸には私達が夜まで掛かった力作が現れる。
田 夕 縁 成 木 蛍
「烏」「野」「高」「校」「排」「球」「部」
虹色の私達のTシャツに男らしい毛筆で書かれた【烏野高校排球部】という文字。
「おおーー!」と生徒のどよめきが起こった。
「いいぞーーーッ!バレー部!!!もっとやれーー!」
そんな声援に田中さんは熱く応える。
田「まだまだ、これからだァ!!!」
大「まだあるのか……」
そんなゲッソリとして頭を抱えて立ち尽くした大地さんをよそに私達はクルリと回転する。
そして全校生徒に背中を見せつけた。
勿論ポーズは初めてジャージを貰った時にした両手をサムズアップにして自分を指すあのポーズだ。
田 夕 縁 成 木 蛍
「I」「H」「ブッ」「チ」「切」「り」「だ」
田「これで、予選もブッチギリだーーー!いくぞ!!烏野ォ……」
その田中さんの掛け声にまた私達は陣形を変えてポーズをとる。
そして7人で声を合わせる。
「「「「「「『スパーキンッ!!』」」」」」」
言い終わると同時に講堂はドッと沸き、大地さんがハッと我に返って声を張り上げる。
大「お、お前ら……なにやってんd「烏野、ファイ!」「ファイ!」「ファイ!」
大地さんを阻むように上がった声の方を見ると菅原さんと旭さんが居た。
その後ろには他の1年の3人も居る。
この場を盛り上げた方が良いと最上級生判断をし、1年生までかき集めてコールを始めてくれたのだ。
そのコールで調子に乗った田中さんと夕ちゃんはどんどん熱くなっていき、今度は全生徒を煽り出す。
田「エビバーリ!ファイッ!ファイッ!」
夕「ついてこーいッ!!」
その声に恐る恐ると言った様子で講堂に居る全員が手を叩き始めた。
すると全員の一体感でまたどんどん熱くなり、いつの間にか講堂は熱い渦に包まれる。
私達もポンポンを持ったまま拳を突きあげて声を枯らして叫ぶ。
田「よっしゃー!絶対全国行くぞ!!応援よろしくッ!!!!」
その言葉に「イエーーーイ!!!」という歓声や指笛の「ピューー」という音と共に割れんばかりの拍手が講堂を埋め尽くす。
そして私達はよく分からない達成感に包まれていた。