第6章 壮行式とインターハイと期末テスト
昼休み。
いつもならばダラダラと過ごすが、今日の私達にはそんな時間などない。
山「ポンポンとスポットライトかぁ。スポットライトは演劇部かな…?
ごめんね、さんにも手伝ってもらっちゃって。」
蛍「元はと言えばのせいで僕まで巻き込まれたんだから、こき使ってやって。」
山「へ?」
イライラしながらりんごジュースのパックを持った蛍に対して山口君は不思議な顔をしていた。
何とも言えない私はヘラッと曖昧な顔をする。
と、そこに武田先生が通りかかった。
『あ、えっと武田先生に演劇部の練習場所聞いてみよう!』
山「あ、うん。そうだね!」
武田先生から演劇部は多目的室と理科室を併用して使っていることを聞き出し、サクサクと用事を終わらせる為に足早に向かう。
武「ま、まさかあの3人、バレー部に愛想つかしたわけじゃないですよね……」
そんな身に覚えのない疑惑まで付きまといながら3人は理科室へとたどり着く。
山「あ、あの男子バレー部なんですが、スポットライトってありますか?
あったら1日借りたいんですが…」
演「そんなのあったらウチが欲しいくらいだよ!」
…惨敗だった。
なんだか嫌な暗雲が立ち込める中、とりあえずポンポンの方を探すことにする。
『ポンポン…やっぱりチア部かな??
友達がチア部で、確か部室棟で練習してるって言ってた気がする!』
山「それだ!良かった、行ってみよう!」
『うん!』
全く言葉を発せず、表情だけどんどん険しくなって“不機嫌ですオーラ”を纏う蛍を2人で全力で気付かないフリをして校舎裏の部室棟に向かう。
“・・ーーゴー!ファイ!烏野!”
その可愛らしい掛け声が聞こえて思わず尻込みする心を奮い立たせながらチア部に近付く。
『あのーすみません……』
その私の声にシンッと静まり返り私の方を向いたチア部。
そして一気に爆発する。
チア部「「「キャーーー!やったー!!!」」」
『???』
なぜか歓迎モードのチア部の方々に私はいぶかし気に表情を曇らせた。
その中で部長と思わしき綺麗な女の人に握手される。
チ「あなたはさんね!ようこそ!あなたはチア部にふさわしいと思ってたの!」
『へ??』