第6章 壮行式とインターハイと期末テスト
そんなやり取りが終わったタイミングで田中さんの声が聞こえてくる。
田「このミッションはトップシークレットだ。部費なんて使えねェ。
なんてったって大地さんの晴れ舞台を【サプライズ】で盛り上げようってんだからな!」
蛍「それ、嫌がられるんじゃ……」
田「知っての通り俺たちに金はない。あるのは部への忠誠心と勝利への想いだけだ!
今言ったものは言ったものは学校内で借りて来て欲しい!」
蛍の言葉を無視して田中さんが更に重ねた言葉に1年のみんなは更にざわつく。
田「リミットは明日の夜までだ。遊んでいる時間はないぞ!」
拳を握りしめて熱く語る田中さんを止められるものはいない。
この空気に慣れ過ぎたのか、なんだか田中さんがかっこよく見える。
そして、まんまと1年生の皆を巻き込めたが自分はもっと多くの代償を払わされることを知った私は非常に落ち込んでいた。
2年生はまだやることがあると言って残ったが、20時を超えていたので私は蛍と連れ立って帰宅の途についた。
蛍「……そんなに落ち込むこと?」
異様に落ち込む私に蛍は驚いた様に声を掛けた。
『だってだって!チアリーダーなんて似合わないもの!
あんなにハツラツとしてないもの!ヘーイって出来ないもん!』
蛍「はァ…?だいたいステージを盛り上げるって言われたらなんとなく分かるデショ…」
『2年の先輩達とステージ下で手拍子したりする程度かな?って思って…うぅ…嫌だよぅ…』
蛍「…まぁ、は可愛いから別に似合うし、いいんじゃない。」
あまりにも落ち込んだ私に蛍が励ましの言葉をくれた。
しかも可愛いなんて!!!
驚愕の表情で蛍を見ると、気まずそうに少し顔を赤く蛍が目を逸らした。
---お前の方が可愛いやないかーーい!!
と蛍に抱き付こうとした所で私のLINEの呼び出し音の間抜けな音が鳴った。
チラッと画面を確認すると昨日の決起集会で作った【大地さんを盛り上げる2年の会feat.】のグループLINEだった。
画面には田中さんからの「、状況が変わった。至急部室に集合せよ!」という言葉と焦っている人のスタンプが押されている。
その画面に面食らっていると蛍もその画面を見て壮大に眉を顰めた。