第6章 壮行式とインターハイと期末テスト
坂ノ下商店の2年生の決起集会が解散になった後は夕ちゃんに家まで送ってもらった。
蛍からの刑事さんも真っ青の事情聴取LINEに詳しくは明日の坂ノ下商店で、とはぐらかして今日に至る。
だって蛍に言ったら面倒事には関わりたくない精神の蛍は絶対来てくれないし、そんな面倒事にまんまと両足を突っ込んだ私をくどくどと説教するに違いない!
登校の時もしつこくしつこく聞きまわす蛍に無表情で黙秘を貫いた。
---その尋問は昼休みも続いて、一緒に居た山口君は苦笑いしていた。
田「さて、お前らに集まってもらったのは言うまでもないッ!
明後日の壮行式だが!俺達1、2年で大地さんの挨拶を盛り上げようと思っている!」
ここは部活後極秘で集められた坂ノ下商店。
ざわざわした雑談を遮るように、高々と田中先輩は宣言した。
その言葉に一瞬静まり返った1年生だったが、また口々にザワついた。
蛍は私の顔を見て「コイツ…黙ってやがったな…」と威圧を掛ける。
---うぅ…でもここまで聞いたら蛍も片足突っ込んだんだからね!ふーんだ。
と勝ち誇って蛍に視線を送る。
蛍は眉間を顰めてこちらを見たが、降参した様に田中さんの方を向いて口を開いた。
蛍「盛り上げるのは良いですけど、何やるんですか?」
田「月島、その質問は想定済みだ。
お前らは表に立たなくてもいい。ステージは俺達先輩とに任せろ。…その代わり裏方として探してもらいたい物がいくつかある。」
日「探し物?」
田「そうだな…。日向と影山、お前らはCDラジカセとメガホン。
月島と山口はポンポンとスポットライトだ」
山「……ぽんぽん??」
夕「ほら、チアリーダーたちが持っているキラキラした丸いやつだよ」
山「あぁ、あれかぁ…」
納得する様子の山口君の隣で納得出来ていない蛍と……私。
そんな私に気付いた蛍はヒソヒソと声を掛けてくる。
蛍「なんでが驚いてるの…」
『だって……ただ盛り上げるとだけしか…。ポンポンって完全にそれ持って踊るよね??』
蛍「さっきまでの勢いはどこへ行ったのやら。でも、僕に黙ってた罰としてとびきり可愛いチアガールを楽しみにしてるから。」
イキイキしたそのドSな微笑みに目の前は真っ暗になったのだった。