第2章 新学期と新生活と入部
教室へと戻って、先生のホームルームが始まった。
その後クラス内で一人一人簡単な自己紹介、長めの昼休みの時間となった。
私は流れでそのまま蛍と山口君とお弁当を食べた。
食事が終わって少しするとまたあの部活の勧誘が始まった。
「「「俺の部活のマネージャーになってくれ!!!!」」」
『あ、あのね。どの部活にするか見学したりしてからゆっくり決めたいから、今どこにするかは決められないよ』
「じゃあ今からサッカー部の昼練あるらしいから見に行こうぜ!!」
一生懸命お断りしたのに、そう言われてパッと腕を持たれて席から立たされた。
その途端に鳥肌が立つ。嫌だ嫌だ気持ち悪い。
『や、やめt「!今日はバレー部の練習見に行くんデショ?」』
拒否しようとした途端、蛍がその男の子の手を払い私の肩を抱いて引き寄せた。
身長の高い蛍は相手の男の子を見下ろすように言って、繋がりを肩から手に移動させてから部屋から連れ出してくれた。
後ろから追いかけてくる気配を感じてそのまま二人で手を繋いで走る。
どれくらい走っただろうか。
気が付くと後ろの気配はなくなって、立ち入り禁止の屋上へ続く階段の踊り場まで来ていた。
息も絶え絶えな私と全く息切れのない蛍。
蛍は私の息が整うのを待ってくれていた。
『…蛍ごめんね。ハァ、ハァ……ッこんなところまで来ちゃって。』
「別にいいけど。タダじゃないからね。それで…僕へのお礼は何にするの。」
『お礼ッ!?う、うーん。』
まさかのお礼を求められて、蛍らしいな。と思いながら必死に頭を巡らす。
蛍の喜ぶもの、喜ぶもの?
蛍の好きなもの…?知らない…好きなもの??
蛍……蛍ってキス魔だったりするのかな????
あの時も2回もされたし。。まだ小学生だったのに。
じゃあ一番喜ぶのはキス、かなぁ。
あ、でも彼女が今いたら困るよね。。。
だいたい過ごした時間がひと夏だから好きなものなんて分かんないよね。
私、あの時2回もされちゃったしもうファーストキスでもなくてサードキスだからまぁいいよね。
でも自分で言い出すのはちょっと。
でもでも言い出さなきゃ終わらないし。蛍には実際助けてもらったし。うーん。言うっきゃない!
女、!気合い入れます!!
そう踏ん切りがついた私は蛍を上目遣いで見つめる。