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Box【HQ!!】

第2章 新学期と新生活と入部


そして田中さんは先生に怒られた。
ま、そうだよね。あんなに手を振っていたらそりゃ怒られるよ。


そんな田中さんの奥には泣きボクロさんと、爽やかな部長っぽい人もいた。
ということは、お二人は3年生ってことだ。


お二人は田中さんの事を憐れんだ目で見ていたが、こちらに気付くとコッソリと手を振ってくれた。
私は慌てて会釈をする。


するとお二人の顔が一気に曇った。


何故なら隣の蛍が眉間の皺を深めながら、びっくりするほどの不機嫌なオーラを漂わせたからだ。


原因はこの男だ。鈍感と定評のある私でも気付いた。



『あの、、蛍?』


「なんであの人達と知り合いなの。宮城に来たばかりじゃないの。」

不機嫌な蛍は口早に私に問いかける。

なぜかその態度に焦った私は先ほどの流れを口早に伝える。
まるで釈明するように。

その説明に納得したような蛍は少し眉間の皺を緩めた。

そんな様子の蛍にホッとしながら、先程の蛍の態度を謝ろうと先輩たちの方にまた顔を向ける。


すると、蛍は私の頭を掴んで3年生の方から自分の方に顔を戻す。



「よそ見してないで僕だけ見ていてよ。」



その爆弾発言に途端に顔の体温が急上昇。


『ば、バカじゃないの!?そんなこと言われたら普通の子は勘違いするんだからね!』

「ん?どう勘違いするの?ねぇ、教えてよ、。」


茹蛸状態の私を見て至極愉快な様子の蛍に迫られる。
お兄さん、ここは入学式ですよ。
そんなピンクのオーラが流れ出してきている蛍をどうしようかと焦っていると急に会場中に拍手が上がった。
どうやら長かった校長挨拶が終わったようだ。

助かった。と胸を撫で下ろしていると今度は3組の彼から話しかけられる。


影「おまえら付き合ってんの?」


『つき…!付き合っていません!誤解です!そんなこと言ったら蛍に怒られる!すぐ!すぐに訂正を!』


焦る私と、ふーんって言いながら思案顔の3組の子、そして明らかに不機嫌モードで彼を見る蛍の板挟みに耐え切れなくたった頃にようやく入学式が終わるというアナウンスが流れた。




それにしてもさっきの蛍はなんだったんだろ?

嫉妬??

まさかまさか。仲良しの子が、他の子と仲が良い様子を見せられたらなんだかモヤモヤするやつかなー

ん?だからそれは嫉妬では?


そして私は混乱した←
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