第5章 青の対戦と赤の対戦と強豪校
蛍達は烏野総合体育館を出て、烏野高校に向かった。
一方、私は竹本さんと取材をする為に他校に向かっている。
「今日はあと2校まわるからね!」
『この時間から2校ですか…。ちなみにどこに行くんですか??青城ですか?』
「青葉城西はこの間取材したから行かないわ!
やっぱり東北の強豪校といえば、言わずと知れた白鳥沢でしょ!まぁこれは後で行くとして、先に伊達工業ね!
鉄壁として有名なんだから!」
『鉄壁…ねぇ。』
ーーー鉄壁、そんな烏野には似ても似つかない通り名に少しだけ興味が持てたのだった。
竹本さんについて行き、伊達工業の体育館に向かう。
事前に私が帯同する事も連絡してあるらしいが、やっぱり緊張する。
鉄壁って…なんか怖そうだし。
ーーーガラガラ
ゆっくり開けたドアの先にいたのは噂にたがわない、鉄壁の様な怖い顔の人だった。
『…ひっ!』
そのあまりの形相に小さな悲鳴をあげると、その人の後頭部にボールが直撃する。
青「…っ!………。」
二「お、青根!ナイスカバー!女の子守るなんてやるじゃん!!」
咄嗟のことで目の前の事に頭がついて行かなかったが、どうやら体育館のドアを開けた私達にボールが当たらないように壁になってくれたらしい。
『…あの…ありがとうございます、大丈夫ですか?痛く…ないですか?』
青「……!だ、大丈夫だ……」
私は精一杯の笑顔で御礼を言ったのだが、青根と呼ばれた彼はそれだけ答えると顔を真っ赤にして何も言わなくなった。
シャイなのか…この見た目で。なんか可愛いかも。
そんな事を考えていると、今度は遠くから彼の名前を呼んでいた爽やかな人が走ってきた。
二「なになに?青根ってば固まっちゃって!一目惚れとか?
……!!!え!?ちょー可愛いじゃん!誰誰?
俺、二口!なんでこんな可愛い子がうちの体育館に居るの!?誰かの彼女?
ってか俺と付き合おうよー!絶対君の事幸せにするよ!」
ーーー前言撤回。超チャラい。及川さん級。
『えっと、あの…私は…』
竹「はいはい。そこまで。こんにちはー!月刊バリボー東北支部担当の竹本です!今日は取材お願いしますー!」
ーーー救世主の声がした。
(ってか助けるの遅くない!?)