第5章 青の対戦と赤の対戦と強豪校
今度はギギギと音がする程きつく握手しながら、エセの笑顔を浮かべる大地さんとクロが見えた。
大「次は負けません。」
黒「次“も”負けません。」
菅&夜「「こわッ!怖いから!!」」
鵜「次は今日みたいにはいかねェからな。」
直「そうしてくれないと練習になんないからな。」
菅「こっちもか!」夜「大人げない!」
---喧嘩するほど仲が良いというか、同族嫌悪というか…
つかスガさんと夜久さん息ぴったりだな。
日「研磨!」
研「翔陽……」
日「この前道で会った時、特別バレー好きじゃないって言ってたよね。今日は?勝ってどう思った?」
研「…別に。…普通…かな…」
日「次は…絶対必死にさせて…俺達が勝って…そんで…悔しかったとか楽しかったとか、別に以外の言葉言わせるからな!!!」
その日向の勢いに遠巻きに見ていた私は、無意識に研磨を守ろうと動き出した。
が
後ろから伸びてきた手が私の肩を掴みそれを制した。
振り返ると人差し指を唇に当てたクロが見えた。
“静かに”と無言で言われて思わず息を呑んだ。
研「うん。…じゃあ期待しとく…」
そしてそう呟いた研磨に目を移すと研磨は微かに笑っていた。
『クロ…研磨が笑ってた…!ほとんど初対面の日向相手に!ど、どうしよう!研磨が成長してる!嬉しい!』
黒「待て待て待て。落ち着け。研磨だってもう高2なんだから。お前が知ってる中学の時よりは大きくなってるんだよ。心配すんな。俺がついてるんだから。」
『クロ…』
---珍しく大人なクロに内心少しときめいた。
黒「もちろん俺も大人になって大きくなってるからなー。あ、舐めたお前なら一番知ってるかー」
『…!!!』
---前言撤回。やっぱりこの人はド変態野郎です。
『ってかいつまで触ってんの。』
そう言って肩に乗っているクロの手を退けようとするが、更に力をこめてきて全然クロの手は肩から外れない。
ムキになってクロの手の上に自分の手を重ねて奮闘しているとふとクロが俯いた。
と、同時に私の手の甲に口付けた。
黒「誰のモノにもなるな…。俺はずっとの事が好きだったんだ…」
---世界が止まった気がした。