第5章 青の対戦と赤の対戦と強豪校
アリーナから出て、自動販売機に向かって歩いているとそこには音駒と烏野の監督やコーチが談笑していた。
猫「お前もしっかりやれよ、繋心。3試合やって1セットも取れないとかな。」
鵜「なっ!?次は絶対ストレート勝ちして見せますよ!」
猫「ははーん。口ばっかじゃないといいけどな。」
そんな小競り合いをした後に両校は別れ、私は音駒陣を追った。
『猫又先生!』
猫「ん?あぁーあのリベロの子か。どうしたんだ??」
『あの、あの、鵜飼コーチの事引き止めて下さってありがとうございました。』
猫「んんー?何のことかな?儂はなんもしとらんぞ。」
全てを読み取っている上で尚もとぼける猫又監督に、私は呆気にとられる。
猫「…まぁしいて言うならば奴はもう続けるつもりだったといいうことかの。意地っ張りな奴の事だから必要なのはきっかけで。それをちょっとアシストしただけ、という事だ。」
『!…さすがですね。絶対ゴミ捨て場の決戦、実現させましょうね。』
猫「フッフッフ。楽しみじゃのう。そういえばあの記者の女が君を探してたぞ?」
『あッ!忘れてた!!いけない!じゃあ、あの、ほんとにありがとうございました!!!』
目の前の事に気を取られて、竹本さんの事すっかり忘れてた。
何やらこの後行く所があるとの事で、試合終わったら待ち合わせしていたのだ。
アリーナに走っていくと竹本さんの姿が見えた。
「あ、ちゃん!探したのよー。そろそろ音駒も帰るみたいだからお見送りしたら次の高校に取材行くわよ!」
『探させてしまってすみません。じゃあ、お見送りしてきますね。』
促されるままゾロゾロと体育館から出ていく皆の後追って、体育館外まで出る。
そして整列してついにお別れの時だ。
田&猛「「友よ、また会おう!!!」」
研「アレ、何…」
黒「知らん、あんま見んな。」
泣き合って握手する田中さんと猛虎さん。それを冷ややかな目で見る研磨とクロ。
---うーん。まぁ…仲良きことは美しいかな。