第5章 青の対戦と赤の対戦と強豪校
沈んだ面持かと思われた烏野勢はそんなこと一切なく、もう試合後には打ち解けて話している。
田中さんと猛虎さんは何やら用具室でヒソヒソ話している。
猛「…お前もな。俺、山本猛虎だ。」
田「田中龍之介だ。」
猛「ところで、ちゃんって処女ってホントなのかよ!?」
田「は!?なんでお前がそんな事知ってるんだよ!?」
猛「この間言ってたぞ。」
田「んなッ!!無防備な!でも想像通りで素晴らしい!」
猛「だよな!妄想が捗るな!!!」
会話までは聞こえないが、2人は熱い握手を交わしている。
仲良くなったのは良いが、さっきから悪寒を感じるのはなぜだろうか…
今度は黒い気配を感じてそちらに目を向ける。
影「バレーいつからやってるんですか。誰に教わったんですか。セッターいつからやってますか。視線でフェイントは自分で考えたんですか。練習したんですか。壁にぶつかったことありますか。他のメンバーと上手くやっていますか…」
『!!!』
そこにはブツブツ呟きながら研磨に熱い視線を送る影山君が居た。
---研磨そういう“ガーー”っとしたタイプ苦手だよ…
その気配に気付いた研磨は想像通り逃げて行った。
日向は犬岡君と飛び跳ねながら効果音をワーワー言い合いながら意気投合している。
クロはまた蛍をつついている。
黒「君はもうちょっと高校生らしくても良いんじゃない?
そして俺もと高校生らしく付き合いたいなー。」
蛍「…僕のモノなんで、レンタルになりますけどいいですか?
“貸して下さい”と頭下げるなら貸してもいいですけど。」
黒「このガキ…。良い度胸じゃねぇか。」
『おいおいおい。私はモノじゃないんですけど。』
黒「そう硬いこと言うなよ。俺達あーんな事した仲じゃないか。」
『ひッ!』
途端にクロはにじり寄って来て気怠い色気をまき散らす。
しかし私が悲鳴をあげたのはクロにではなく、その後ろの修羅のような蛍だった。
そして厄介事は御免な私は先ほどの研磨のように速やかに体育館を退出したのだった。