第2章 新学期と新生活と入部
「入学生代表、1年4組。」
『はい。』
ついに呼ばれた私はクラスの列の一番前から壇上に上がる。
途端に全校生徒がざわざわと騒ぎ出し、落ち着かない気持ちになる。
来賓席に礼をしながらチラッと自分のクラスを見ると一際背の高い蛍が目に入った。
不機嫌そうな顔している蛍と目が合うと、蛍は口パクで〝がんばれ”と言ってくれた。
その一言で全て頑張れる気がした←
なんとか大役を終えた私はクラスの一番後ろの列に戻る。
そこには一番背の高い蛍がいて、必然的に隣同士となる。
そしてヒソヒソと蛍に話しかける。
『緊張したー。蛍、応援ありがとね。』
「こっちは別の意味で緊張したよ。壇上であんなに礼をしたらスカートの中見えそうだったよ。」
『・・・!!!!』
き、気付かなかった!!!っていうか考えもしなかった!!!
蛍の爆弾発言にドギマギしているとふと隣のクラスからの視線を感じた。
隣の3組の子も背が高くて黒髪のかなり怖い顔をしている人だった。
途端にドッと冷や汗が背中を伝う。
なになになに!私なんかした!?
そう焦る私を挟んだ隣から蛍が小さい声でその男の子に話しかける。
「何?この子になんか用?」
するとびっくりしたような顔をしてその子は言った。
影「ソイツにっていうかお前に興味がある。」
蛍「!!!!!!!!!!!!!!!」
〝僕にそういう趣味はないよ”と言いながら蛍は心底嫌な顔をした。
すると顔を真っ赤にした彼は3組の彼は慌てたように訂正する。
影「バッ!!ち、ちげーよ!!!タッパあるしお前〝も”バレー部かと思ったんだよ!!!」
その大きな声で「そこ!騒がしいぞ!!」と先生から注意を受けてしまった。
引いた顔をした蛍と、バレー部入部希望の彼の間で私は声を殺しながらお腹を抱えて笑った。
そんな私を2人は上から見下ろしていた。
蛍&影((コイツ、可愛いすぎだろー!))
そしてふと顔を上げると真っ赤な顔をした2人と目が合う。
こんなに笑われたら恥ずかしかったんだろうな。と解釈してふと周りに目を向けると、先輩の列最後尾にも見たことのある顔がちらほら見受けられた。
その中でも目立っていたのは〝田中さん”だった。
目が合うと嬉しそうな顔で手をブンブンと振ってくれている。