第5章 青の対戦と赤の対戦と強豪校
師匠と共に体育館に入るとそこはもう熱気に包まれていた。
竹「これこれ!この雰囲気よ!さ、ベスポジ確保するわよ!」
そう師匠に言われるがままコートの横に椅子を配置し試合が始まるのを待つ。
すると足元にコロコロとボールが転がって来た。
見るとその先にはゆうちゃんが居た。
夕「ちょっと練習付き合ってくれよ。」
そう遠くから誘われ、私はコクンと頷いた。
師匠に承諾を貰い、試合が始まるまでゆうちゃんの練習相手になることにした。
夕「手加減なしだからな。」
『もちろん!』
その言葉から始まった2人練習はドンドン熱を帯びていく。
最初は私が軽いアタックを打ち、ゆうちゃんが拾っていたが白熱してきたらお互いがアンダーで相手のギリギリにとれる範囲にボールを上げあった。
私達は周りが息を呑むのに気付かずひたすらVSリベロ同士で盛り上がり練習終了の笛が鳴るまでついにボールが下に落ちることはなかったのだった。
ピー---ー!!!
ホイッスルが鳴り始まった音駒との練習試合。
日向の速攻に驚いた様子の音駒だったけどすぐに研磨は新しいゲームを攻略する時の楽しそうな顔をした。
(したと言っても私に分かる程度の微弱な表情の変化だったけど。)
そして私が前から危惧していた様に研磨は“慣らす”為に犬岡君を張り付かせた。
敵ながらアッパレだ。この速さで対処法に気付くなんて。
その後影山君のストレートに驚いたり、研磨に引っ掛けられた蛍にクスリとしたりでずっとワクワクされっぱなしだった。
この間一日マネージャーの時に見た時にも思ったけど、研磨のセットアップはとても上手だ。
それに音駒のレシーブのレベルは高い。
夜久さんのレシーブはゆうちゃんにも匹敵する。
知らず知らずのうちに私は手を握りしめ、固唾を飲んで見守った。
そんな中、日向はコースを打ち分けた。
【好敵手(ライバル)】とはこの事だろう。
心が震える闘いがそこにはあった。