第5章 青の対戦と赤の対戦と強豪校
後ろでニヤつくクロをギギギと音がするほどゆっくり振り向くと想像通りニヤついた顔が目に入る。
ーーーコイツ、飄々としやがって。
そう心の中で悪態をつく。
『べ、別に元気かなって研磨と話してただけ!』
黒「俺なら元気だけど、もしかして俺じゃなくて俺の〝ジュニア〟のこと?大丈夫だ。に舐めて貰ったからお陰様でビンビンだ。」
『相変わらず最低だな。』
黒「なんなら練習試合前に1発抜いとくか?多分俺達身体の相性もいいぜ?」
『結構です。遠慮します。ってかもう絶対しないし!』
ーーー私には蛍がいるもん。
そこまで考えると今度は【そうですよ】と声がした。
その声の主の機嫌を考えると私は更に頭を抱える事となる。
黒「お?なんだ。あの時のヒョロメガネじゃねぇか。俺達の話だからヒヨッコは入って来んなよ。」
蛍「どうも。月島蛍と申します。のハジメテは貰ったのでもう遅かったって事ですよ。」
黒&研『!?』
あ、アウトーーーーー!!
『ちょ!ちょっと蛍!』
飄々と、最早腕を組んでふんぞり返って言い放つ蛍は自信満々で。
私は慌てて蛍の傍に行き、その口を塞ごうとする。
が、
伸ばした私の腕は簡単に蛍に引き寄せられ、そのままあろうことか抱きしめられる。
クロと研磨の怒りの雰囲気を感じ取ったが、当の本人は全く気にせず更に続ける。
蛍「言葉じゃ分かりにくかったデスカ??じゃあこうしましょう。」
目を白黒させている私をよそに蛍はそのままゆっくりと近付いて来た。
〝キスされる〟そう気付き身をこわばらせる。
「やめろ!!」
一際大きな声に身がすくむ。そして蛍の動きが止まった。
その声の主であるクロを見ると、見たことが無い程怒りの感情が見て取れた。
蛍「分かったならいいデス。そういう事なんで。ホラ、行くよ!」
そうまた飄々と言い放って蛍に手を握られる。
クロの事は気になったがクロには研磨も付いていてくれているので、私は蛍に手を引かれてその場を後にしたのだった。