第5章 青の対戦と赤の対戦と強豪校
腰に襲う筋肉痛のような痛みに全く動けなくなる。
『さっきまで大丈夫だったのに!』
「さっきは腰から下あんまり使ってなかったからデショ。」
数m先にある下着さえも取れず、痛みに必死に耐える。
動く度にビキビキと音がする程痛みが走る。
するとゆっくりと蛍は布団から出て来た。
もちろん蛍も服は身に着けていなくて裸な訳で。
目のやり場がなく視線を逡巡させていると目の前に蛍の気配を感じる。
と同時に身体に伝わる浮遊感。
目をしっかり開けるとそれはお姫様抱っこという事に気付いた。
『ちょ、ちょっと!蛍!降ろしてよ!』
「昨日気持ち良過ぎたみたいではシャワーも浴びずに寝ちゃったからさ。僕が洗ってあげる。」
『え!いい!自分で洗うからっ……ッ!』
ジタバタすると途端に腰の痛みが襲ってくる。
大人しくなった私を見下ろして蛍は余裕で満足したような表情になった。
そんな蛍を見て悔しい私は、頬を膨らませてせめてもの反抗として悪態をつく。
『さっき一瞬見えたけど…勃ってたよね?朝から変な事しないでよ!』
「へぇ。あの一瞬でもしっかりと見たんだね。大丈夫、あれは朝勃ち。生理現象。でもそんな煽られる可愛い事を言われたら、今は違う意味になっちゃうかも、ね?」
『・・・!?』
悪態をついたはずが返されたお色気ムンムンの蛍に思わずドキッとした。
『ば、ばかじゃないの…』
そして蛍はお風呂場に着くと、蛇口をひねる。
「まだ、お湯出ないから。」
そう言いながらお姫様抱っこしたまま蛍の顔がゆっくり近付く。
そして途端に降りてくる甘い甘いキス。
軽く啄まれるようなキスから、愛の詰まった濃厚なキスまで。
ちゅっちゅ。
『ふぁ…ッ。蛍…あっ、…ん。もう…』
「濡れちゃって僕の太ももまで垂れて来ちゃってるよ?感度も良くて益々僕好みだ。」
『ば、ばか蛍!』
お風呂場で素っ裸で抱えられたまま、本日何度目かの【ばか】を伝える。
水はとっくの昔にお湯に変わって暖かい湯気が2人を包んでいた。