第5章 青の対戦と赤の対戦と強豪校
「ってかその格好とアングルもしかして誘ってるの?」
『……へ?』
そう言われてゆっくりと自分を仰ぎ見れば、上半身には何も衣服を纏っていない自分が目に入る。
所謂、産まれたままの姿だ。
蛍は布団に入っているものの、私は上半身を布団から出していて丸見えだった。
『きゃぁぁぁ!!』
そう叫びながら布団に潜り込む。
すると必然的に蛍の胸に飛びつく様な形となる。
顔を真っ赤にしながら恥ずかしさに身悶えていると、頭上から蛍がうっすら笑った気配がした。
---早く言ってよね!
そう言いたいがどうせもう分かってしまっているだろうと思って口には出さなかった。
そして私達はまた幸せに包まれていた。
しかしその言葉は蛍の一言で破られる。
「そろそろ準備しよっか。今日は【合宿】の最終日だし。」
『……ああああああああぁぁぁあああああ!』
「何?大きな声出さないでよね。ビックリするじゃんk『どうしよう!!ビブスもジョグも洗わないでそのまま来ちゃった!!今何時!?5時!?ご飯の支度の時間なのに!!』
「ちょっと、僕の話を聞いt『どうしよう!?マネージャー失格だよ!これじゃ皆が練習できない!最悪だぁぁ!』
もうパニックなは手に負えない状態になっていた。
蛍の話も全く聞かないというか耳に入ってすらいない様子。
そして蛍はため息を吐きながらスマホを見せた。
「ホラ。よく見て。」
オロオロとしていると蛍にスマホを突き付けられる。
その画面に表示されているのは…
---潔子さん???
そう、画面には“清水潔子”とあり蛍と潔子さんの会話が映し出されていた。
「僕にとっての一世一代の大勝負だから、帰宅前に清水先輩に説明しての仕事の代行を頼んどいたの。」
『…潔子さんに!?でも、でも私マネージャーだから!…ッ!』
そう言ってベッドから降りた私は無残にも床とコンニチハする。
下半身に力が入らない。
「ほら、言ったデショ?」
そう言って蛍は笑った。