第5章 青の対戦と赤の対戦と強豪校
夢と現実の狭間で微睡んでいる。
こんな時間が最高に好きだ。
でもお日様は待ってくれなくて、顔に朝日が当たるのが分かる。
意識は急浮上し、一気に現実に引き戻された。
最初に目に入ったのは天井。
いつもの私の寝室の天井。
---そっか。私引っ越しして今は宮城に居るんだっけ…
寝ぼけていた私は今まさに宮城に居ることを思い出した。
---もう一ヶ月も居るのにまだ東京に居るつもりだったなんて…
そう自分自身を嘲笑った瞬間に右隣の温かみに気付く。
もぞもぞと寝返りを打って布団が捲れ、現れた顔に驚愕した。
そして一瞬でフラッシュバックする昨日の情事…
---!!???
声にならない声とはまさにこの事で。
すやすやと眠る蛍の顔を凝視しながら恥ずかしさに身悶えた。
---落ち着け。落ち着け。深呼吸だ。
---幸いまだ蛍は起きていない。こ、こういう時は何て声かければいいんだろう…??
【おはよう。昨日は気持ち良かったよ。】
いや、なんか玄人過ぎる。
【昨日はありがとう。愛してるよ。】
いや、重すぎるか。
蛍の中では一夜を共にしただけなのに…とか思われちゃうかな…
【もっと気持ち良くなれるように頑張るから、またよろしくね。】
…だから時折出てくるこの玄人目線はなんだろうか…
昨日まで処女なのにこんなこと言ったら変態じゃん。
蛍、引くよね。
「別に。引かないよ?もっと気持ち良くさせるように研究頑張るし。」
『いや、絶対引くって。蛍に絶対言えないよ。そんな……は?えええええええええええ!?』
「おはよ。腰痛くない?大丈夫??」
『いや…これは…へ?腰…特になんもないけど…??』
「じゃあ良かった。昨日いっぱい突いちゃったから…ね?」
『~~~っ!!!!!』
昨日の事を色気のある顔で揶揄してくる蛍の顔に一気に私の顔は赤くなる。
「そんなに可愛いと…また食べたくなるんだけど?」
『ばか。』