第2章 新学期と新生活と入部
クラスの男の子に部活に勧誘される中、蛍は我関せずという顔をしていた。
助けを求める視線を送るもニッコリと笑顔で返された。
すみませんでした、私が悪かったです。
だから助けてクダサイオネガイシマス。。
そうこうしている内に担任の先生が入って来て、みんな散っていき席に着いた。
私は必然的に空いた席、誰も座っていない蛍の後ろの席になった。
多分、蛍が背が高いから皆避けて空いてたんだろう。(←蛍がの為に誰にも座らせないように取っておいてくれていた)
後ろから蛍の姿を眺める。それにしても大きいなぁーとか暢気に考えているとふいに後ろを向かれた。
びっくりすると「何?」という顔で見られる。
…私、耳赤くなってないかなぁ…
そうドギマギしていると蛍はため息をついて私の後ろの席に何かを持って行った。
その手に持っているのが新入生が胸につける花だと気付いた時には皆が口々に話し出して、廊下に出て行った。
月島side
前から後ろの席に花を回して廊下に整列するように言われて振り返ると、は前を向いたままボーっとしていたようで驚きの表情をしていた。
その耳はほんのり赤く〝誰の事”を思っていたのかと少しイラついた。
全く話を聞いていなかったであろう彼女を飛ばして後ろの席に花を回す。
から花を貰えなかったからか残念な顔をした後ろの奴にまたイラついた。
そして廊下に出るためにざわつく教室の中でまだに話しかけようとしている奴らが目に入り更にイラついた。
だから僕はを立たせて、胸に花をつけてやった。
「先生の話聞いてなかったデショ。花つけたら廊下に整列だってさ。ほら、いくよ。」
(は僕のモノだ。誰にも渡さないよ。)
僕のその行動に教室中がざわめいた。
真っ赤な顔をしているを皆に見られるのも少々腹立たしいけど。
それでも僕のモノだと皆に教えとかないとね。
真っ青な顔をしている男共と、真っ赤な顔をしている女子達に優越感を感じながら、もっと真っ赤になっているを廊下に連れ出す。
山「待ってよツッキー!あ、ツッキーが花つけ忘れてるよ」
「うるさい、山口。」
山「ごめん、ツッキー!」
浮かれているのは……僕みたいだ。