第2章 新学期と新生活と入部
月島side
校門でと別れてクラス分けの紙を見て驚いた。
同じクラスにの名前があった。
驚きと同時に湧き上がる喜びに笑みが零れた。
教室に入り窓際の席を確保して少しすると部屋にクラスメイトが入って来て、あっという間に以外の全員が揃っていた。
そして部屋にいる男子は〝可愛い子”探しを始めている。
こんなクラスにが入って来て大丈夫か。
そればっかりが気になる。
いつの間にか山口が隣に座っていて、何か言ってきたと思った途端ドアが開いてが入ってきた。
その後は予想通り。
僕が呼んでが隣に来てからも部屋は騒がしかった。
そこかしこで色めき立つ男達に心底嫌気がさす。
僕もあの夏にと出会ってなかったらあの中のひとりだったのかもなぁと考えると途端に優越感を感じる。
は入学生代表挨拶するらしい。通りでこんなに遅くなった訳だ。立ち位置決めとか練習があったのだろう。
・・・ということはが入試の結果が一番だったということだ。僕より頭がいいということか?
しかも代表で壇上に上がったら全生徒にの顔と名前がばれてしまう。
そしたらまたのファンが増えてとんでもないことになる気がする。
どう考えてもこれからも少しの間は騒がしい日々が待っていそうだ。
そんな風に考えに浸っていた僕にまたの口から衝撃の一言が投下される。
『もう選手はやりたくないから何かの部活のマネージャーとかやろうかなって思ってるの。』
その不用心な一言で教室の空気が変わった。
目の前の張本人もやばいと思ったらしく少し挙動不審だ。
ふと気づくと僕らの席の周りには男共が群がっていた。
「「「「俺の部のマネージャーになってください!」」」」
我も我もと男共が群がって自分の入部予定の部活に勧誘している。
いつもだったら逃げるし、の為なら助ける僕だけど今日は見守ってみた。
張本人のには自覚というものが足りない。自分の可愛さを分かっていない。
今回の事も自分で蒔いた種であり、身をもって分かってもらういい機会だと考えたのだ。
そして助けを求めるこのの視線もすごく良い。
win-winだね。